四国と戦国世界

四国中世史研究会・戦国史研究会 編

2013年5月刊
A5判・250頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-807-3 C3021
2800円 (税別)
評者:津野倫明(『史学雑誌』123-1  2014.01)評者:森脇崇文(『史窓』44  徳島地方史研究会  2014.03)評者:中平景介(『伊予史談』375  2014.10)評者:谷橋啓太(『地方史研究』380  pp88-89  2016.04)
2012年8月に高松で開催された「四国中世史研究会30周年記念シンポジウム:四国をめぐる戦国期の諸相」(四国中世史研究会・戦国史研究会 共催)の成果をまとめる。
四国という狭い地域だけを捉えるのではなく、視野を広げて、四国をめぐる東国・畿内の状況および、それが四国にどう影響を及ぼしたかを見直す。
「ある特定の大名や政治勢力を論じる場合も、その支配地域の内部に留まることなく、より広い外の世界に目配せをして、諸勢力の関わりあいを具体的に明らかにしているというのは、いずれの報告にも共通する特徴といえよう。甲斐の穴山氏と西国の三好氏の交渉、将軍や幕府関係者と石見益田氏の交渉、阿波三好家と畿内の織田・羽柴との関係、伊予喜多郡争乱をめぐる毛利氏と長宗我部氏の介入というように、かなり遠方の諸勢力との関わりが大きな意味を持っていることが、それぞれの報告からわかるのである。讃岐の香西氏と阿波の三好氏について概観した筆者(山田)の講演も、畿内を含む広い空間における人々の動きをとらえようとした試みである。」(戦国史研究会代表委員 山田「あとがき」より)
【主要目次】
基調講演:戦国の活力
 ―東瀬戸内地域の視点から
山田 邦明
  讃岐と阿波/
三好之長・香西元長の登場/
香西元長の決起/
三好之長の入京/
三好元長と四国衆/
三好長慶の雄飛/
参考史料
 
戦国大名武田氏と従属国衆 丸島 和洋
  小山田・穴山氏の領域支配/
武田家中における穴山氏と外交分担
 
足利義稙後期の幕府政治と御内書・副状 浜口 誠至
  副状発給者/
副状発給者の政治的役割/
都鄙交渉の運営体制/
都鄙交渉の経路
 
織田・羽柴氏の四国進出と三好氏 天野 忠幸
  阿波三好家との対立/
阿波三好家の再興
 
毛利氏と長宗我部氏の南伊予介入
 ―喜多郡争乱をめぐる芸土関係
山内 治朋
  南伊予の争乱と毛利・織田戦争/
毛利・羽柴の和睦と芸土入魂への波紋
 
全体討論 司会:川岡  勉
四国戦国期研究文献目録 四国中世史研究会

ご注文へTOPEへ