近世修験道の諸相 岩田書院ブックレット:歴史考古学系H14 時枝 務・由谷裕哉・久保康顕・佐藤喜久一郎 著 2013年5月刊 A5判・124頁・並製本 ISBN978-4-87294-803-5 C1321 1600円 (税別) |
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「中世の修験者に比して、近世の修験者の数は、圧倒的に多かったはずである。修験者が身近に感じられた時代は、中世ではなく、近世であるはずである。ここに近世修験道が大切な理由がある。」 「時枝(考古学)は、修験道史の研究において、里修験がどのように取り上げられてきたかを論じ、研究史のなかに近世修験を探った。久保(日本史学)は、近世初頭における注連祓をめぐる動向を整理し、注連祓という限定された事象から近世修験のあり方を解明した。由谷(社会学)は、小菅権現の事例を中心に柱松について論じ、それが従来いわれていたような民俗に起源をもつものではなく、修験道独自の儀礼として育まれたものであることを明らかにした。佐藤(民俗学)は、武蔵国高麗郡の白髭明神をめぐる高麗王伝説に注目し、伝説の形成に関わった近世修験の姿に迫る。」(時枝「はしがき」より) |
【主要目次】 |
修験道史における里修験の位相 (立正大学教授) 時枝 務 |
昭和戦前期の近世修験観/ 辻善之助の仏教史観の影響/ 昭和戦後期の近世修験観/ 里修験への注目 |
参詣の注連祓 (東京都市大学非常勤講師) −山伏の活動の解明− 久保 康顕 |
注連祓をめぐって/ 注連祓の基本的な性格/ 注連祓と参詣の注連祓/ 参詣の注連祓とは |
近世権現社の祭礼における柱松と修験者 (小松短期大学教授) −北信濃小菅権現の事例から− 由谷 裕哉 |
小菅柱松への関心/ 小菅神社柱松柴燈神事 現行の祭礼次第/ 柱松を巡る時間・空間・組織の変遷/ 近世的な文脈における小菅柱松 |
王になった山伏 (NPO団体代表) −「白い翁」から高麗王へ− 佐藤喜久一郎 |
武州高麗郡の白髭神/ 白髭信仰の源流/ 高麗王の氏子狩 |