近世修験道の諸相
岩田書院ブックレット:歴史考古学系H14

時枝 務・由谷裕哉・久保康顕・佐藤喜久一郎 著

2013年5月刊
A5判・124頁・並製本
ISBN978-4-87294-803-5 C1321
1600円 (税別)
評者:関口功一氏(『群馬文化』316  2013.10)評者:中山郁(『神道宗教』233  2014.01)評者:天田顕徳(『宗教と社会』20  2014.06)評者:小池淳一(『宗教研究』380  2014.09)評者:西村敏也(『山岳修験』55  pp66-68  2015.03)

「中世の修験者に比して、近世の修験者の数は、圧倒的に多かったはずである。修験者が身近に感じられた時代は、中世ではなく、近世であるはずである。ここに近世修験道が大切な理由がある。」
「時枝(考古学)は、修験道史の研究において、里修験がどのように取り上げられてきたかを論じ、研究史のなかに近世修験を探った。久保(日本史学)は、近世初頭における注連祓をめぐる動向を整理し、注連祓という限定された事象から近世修験のあり方を解明した。由谷(社会学)は、小菅権現の事例を中心に柱松について論じ、それが従来いわれていたような民俗に起源をもつものではなく、修験道独自の儀礼として育まれたものであることを明らかにした。佐藤(民俗学)は、武蔵国高麗郡の白髭明神をめぐる高麗王伝説に注目し、伝説の形成に関わった近世修験の姿に迫る。」(時枝「はしがき」より)
【主要目次】
修験道史における里修験の位相        (立正大学教授) 時枝 務
  昭和戦前期の近世修験観/
  辻善之助の仏教史観の影響/
  昭和戦後期の近世修験観/
  里修験への注目
参詣の注連祓                  (東京都市大学非常勤講師)
 −山伏の活動の解明−                  久保 康顕
  注連祓をめぐって/
  注連祓の基本的な性格/
  注連祓と参詣の注連祓/
  参詣の注連祓とは
近世権現社の祭礼における柱松と修験者     (小松短期大学教授)
 −北信濃小菅権現の事例から−            由谷 裕哉
  小菅柱松への関心/
  小菅神社柱松柴燈神事 現行の祭礼次第/
  柱松を巡る時間・空間・組織の変遷/
  近世的な文脈における小菅柱松
王になった山伏                      (NPO団体代表)
 −「白い翁」から高麗王へ−                佐藤喜久一郎
  武州高麗郡の白髭神/
  白髭信仰の源流/
  高麗王の氏子狩
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