芝増上寺境内地の歴史的景観
 −その建築と都市的空間−
近世史研究叢書36

伊坂 道子 著
(建築家・建築史家/伊坂デザイン工房共同代表)

2013年10月刊
A5判・338頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-801-1 C3321
8800円 (税別)
江戸三大寺院(浅草寺・増上寺・寛永寺)の一つで、徳川氏の菩提寺として、境内に壮大な伽藍をもち、50を超える山内寺院、3000もの人口を有していた増上寺の歴史的な景観の変遷を、建築史・都市史的な視点で考察する。日光東照宮と比肩されていた将軍霊廟の戦災焼失前の姿を紐解き、旧山内寺院建造物の実測調査や、土蔵保存修理工事の設計監理を通じて得られた知見、その際に発見された古文書などの資料をもとに論究。広大だった増上寺境内地が芝公園となる明治期の変遷までを描く。本文中に図版・絵図・写真・古写真・表など 252点収録し、巻末リストには、各種の一覧資料を掲げる。
著者の学位論文「建築と都市の歴史からみた増上寺と芝公園の研究」をもとに、その後の研究成果を加えて刊行。戦後の市街化が著しい東京にも、江戸の記憶が多く残存していることを、旧境内の悉皆調査と過去の記録から丹念に示した書。
【主要目次】

序 章 増上寺旧境内地区における歴史的景観の特質
      ―江戸三大寺院の視点から―
第一章 境内の移りかわり ―山内図が伝える変遷―
第二章 山内寺院の職掌分化からみた建造物形式
       ―徳川家菩提寺における子院建造物の規範と景観―
第三章 旧山内寺院建造物調査
       ―市街地に残る江戸の記憶―
第四章 妙定院の創立と堂舎の変遷
       ―大僧正の動向と別院の営み―
 第一節 増上寺別院草創期における別院と学寮・境内の様相
 第二節 江戸期の妙定院堂舎成立の来歴
第五章 霊廟の修復と儀式
       ―旧台徳院修復儀式についての考察と
        惣門屋根の仕様変更―
第六章 将軍参詣と法会
       ―御成道と有章院霊廟二天門前の風景―
第七章 明治期の増上寺旧境内
       ―山内寺院の動態にみる芝公園の変容―
終 章 御成道と大門通りの今
       ―江戸から東京に伝わったもの―
巻末リスト (増上寺支院等一覧表/
        増上寺年表/
        増上寺旧境内地区・歴史的建造物/
        旧境 内地区周辺の史跡・寺社/
        支院建造物 作事図)
付録地図「増上寺境内地区地図」

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