博物館資料の再生
−自明性への問いとコレクションの文化資源化−

明治大学博物館・南山大学人類学博物館 編


2013年3月刊
A5判・276頁・並製本
ISBN978-4-87294-788-5 C3021
2800円 (税別)
2010年から12年にかけて開催された3回のシンポの成果。
「いわゆる「博物館資料論」的な議論ではなく、博物館というものの存立基盤はいったい何なのか、というやや形而上学的な問いをめぐる議論を仕掛けてみよう、ということであった。…今回のシンポジウムでは、意識的にそうした問題にも触れるようにし、やや刺激的なタイトル(T・U・Vの標題)も付けてみた。」(黒沢「序」より)
【主要目次】 
T ホンモノ/ニセモノの論理  ―「文化の真正性」と博物館資料―
博物館資料の真正性をめぐって 矢島 國雄
ホンモノ/ニセモノの論理
 ―博物館資料の価値とは何か―
黒沢  浩
創造/想像される「伝統」
 ―本質主義的民芸理解と柳宗理「民芸の行方」との相克から―
濱田 琢司
伝統的工芸品は古美術の模造か?
 ―旧明大商品陳列館の伝統的工芸品収集―
外山  徹
歴史資料としての「贋物」
 ―明治大学博物館所蔵資料から―
忽那 敬三
 
U 博物館資料の境界 ―自明性への問い―
博物館資料の境界
 ―ペルーに戻ったマチュピチュの遺物―
加藤 隆浩
藩政史料と歴史研究 ―旧藩主家史料の再評価― 落合 弘樹
人間の「展示」と植民地表象
 ―1912年拓殖博覧会を中心に─
松田 京子
瀬戸赤津焼の「伝統」への再評価 外山  徹
<昭和>をめぐる記憶の展示
 ―昭和生活資料を展示する意味―
黒沢  浩
 
V コレクションの再生 ―資源化される博物館資料―
文化の資源化と活用
 ―アンデス民族学画像コレクションの取り組み―
加藤 隆浩
コレクションの文化資源化と大学・地域博物館の連携
 ―ジェラード・グロート神父と日本考古学研究所のコレクションを中心として―
領塚 正浩
収蔵室を“発掘する”
 ―茨城県玉里舟塚古墳の再整理事例から―
忽那 敬三
旧刑事博物館初期コレクション形成過程とその性格 日比佳代子
民族誌展示の功罪 黒沢  浩

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