2010年から12年にかけて開催された3回のシンポの成果。
「いわゆる「博物館資料論」的な議論ではなく、博物館というものの存立基盤はいったい何なのか、というやや形而上学的な問いをめぐる議論を仕掛けてみよう、ということであった。…今回のシンポジウムでは、意識的にそうした問題にも触れるようにし、やや刺激的なタイトル(T・U・Vの標題)も付けてみた。」(黒沢「序」より) |
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【主要目次】 |
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T ホンモノ/ニセモノの論理 ―「文化の真正性」と博物館資料― |
博物館資料の真正性をめぐって |
矢島 國雄 |
ホンモノ/ニセモノの論理
―博物館資料の価値とは何か― |
黒沢 浩 |
創造/想像される「伝統」 ―本質主義的民芸理解と柳宗理「民芸の行方」との相克から― |
濱田 琢司 |
伝統的工芸品は古美術の模造か?
―旧明大商品陳列館の伝統的工芸品収集― |
外山 徹 |
歴史資料としての「贋物」
―明治大学博物館所蔵資料から― |
忽那 敬三 |
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U 博物館資料の境界 ―自明性への問い― |
博物館資料の境界
―ペルーに戻ったマチュピチュの遺物― |
加藤 隆浩 |
藩政史料と歴史研究 ―旧藩主家史料の再評価― |
落合 弘樹 |
人間の「展示」と植民地表象
―1912年拓殖博覧会を中心に─ |
松田 京子 |
瀬戸赤津焼の「伝統」への再評価 |
外山 徹 |
<昭和>をめぐる記憶の展示
―昭和生活資料を展示する意味― |
黒沢 浩 |
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V コレクションの再生 ―資源化される博物館資料― |
文化の資源化と活用
―アンデス民族学画像コレクションの取り組み― |
加藤 隆浩 |
コレクションの文化資源化と大学・地域博物館の連携
―ジェラード・グロート神父と日本考古学研究所のコレクションを中心として― |
領塚 正浩 |
収蔵室を“発掘する”
―茨城県玉里舟塚古墳の再整理事例から― |
忽那 敬三 |
旧刑事博物館初期コレクション形成過程とその性格 |
日比佳代子 |
民族誌展示の功罪 |
黒沢 浩 |
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