現代日本の葬送文化
 
内藤 理恵子 著
(愛知大学国際問題研究所客員研究員/1979年生まれ)

2013年2月刊
A5判・384頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-784-7 C3039
9500円 (税別)
評者:鈴木岩弓(『日本民俗学』281  pp104  2015.02)
少子高齢化や、都市化・産業構造の変化によって、現代日本の葬送文化はどのように変容しているのだろうか…。
かつての講組や葬式組が担っていた葬送文化は、いまや葬儀業者の手にアウトソーシング化されているが、それは、日本人の祖霊観にどのような変化をおよぼすのであろうか…。
その実態を探るため著者は、新しい永代供養墓を建立する寺院や、ペット供養をしている寺院に、また「手元供養」という新しい供養をはじめた団体や、大手の葬儀社に入り調査をし、さらにゲーム・マンガ・アニメ・映画から、インターネットの世界まで、調査の対象を広げる。
それは、従来の葬送文化研究の枠組みを超えて、新たな研究への展望を開くものになろう。
本書は、学位論文「葬送文化の今日的変容−現代日本における社会変動と新たな葬送文化の形−」(宗教思想、南山大学)を大幅に改稿のうえ刊行したもので、2012年度 日本学術振興会 研究成果公開促進費 交付を受けた。
【主要目次】

序 章
第1章 伝統的な葬儀のあり方と死者儀礼の諸相
第2章 社会変動と葬送儀礼という問題提起
第3章 都市化状況における葬送儀礼の商品化
第4章 現代日本における納骨堂の変容
第5章 現代日本における墓石の形状変化
第6章 手元供養にみられる文化変容
第7章 インターネット供養
      ―葬送文化の商品化における方向喪失―
第8章 ペットの家族化と葬送文化の変容
補 説 サブカルチャー世代における他界観
第9章 現代日本における葬送文化の変容の全体像と今後の課題
終 章

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