「二〇世紀民俗学」を乗り越える
―私たちは福田アジオとの討論から何を学ぶか?―

福田アジオ・菅 豊・塚原伸治 著

2012年12月刊
A5判・188頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-779-3 C3039
2000円 (税別)
評者:由谷裕哉氏(『加能民俗研究』44  2013.3)評者:福澤昭司氏(『長野県民俗の会通信』234  2013.3)評者:上野誠氏(『読売新聞』2013.3.17)評者:武井基晃(『日本民俗学』282  pp124  2015.05)
2010年7月31日に、東京大学東洋文化研究所でおこなわれた現代民俗学会の第6回例会
「<討論>福田アジオを乗り越える−私たちは『二〇世紀民俗学』から飛躍できるのか?−」の6時間にわたる熱い議論の記録。
【主要目次】

プロローグ ―民俗学の退廃を悲しむ福田アジオ
二〇世紀民俗学を具現化する福田アジオ/
民俗学の退廃を悲しむ/
民俗学は消え去るべきである/
民俗学は永遠不滅ではない

課題1 民俗学の定義の問題
民俗学の定義/
民俗学を特殊な学問にしない/
福田定義の意図/
「歴史民俗学派」という特徴/
変化してきた海外の民俗学/
歴史民俗学は民俗学変革の「足枷」になってきたのではないか?/
個人の体験・経験を超えたところに見えてくる認識/
民俗学は消えてしまって良い?

課題2 民俗学の方法の問題
民俗学の理論的危機/
歴史認識の新たな方法とは?/
「歴史よ、さようなら」の後に代わりうるものはあるのか?

課題3 伝承母体論の問題
伝承母体論に関する課題/
伝承母体の理論/
伝承母体論の功罪/
伝承母体論における他分野の影響/
村落の類型論的把握/
「新しい民俗」を扱えるか?/
「個人」から民俗を把握する

課題4 民俗学の国際性の問題
民俗学の国際性/
世界のなかで孤立する日本民俗学/
一国民俗学の問題、比較民俗学の問題/
一国民俗学をはずせ/
異文化理解の困難さ

課題5 民俗学の調査論の問題
民俗学的調査法の変容/
調査マニュアルと集団型調査が生起した背景/
『民俗調査ハンドブック』の功罪/
自治体史編纂事業の現在的評価/
自治体史になぜ民俗編が盛り込まれたのか?

課題6 民俗学の実践の問題
実践性を見失った民俗学/
眼前の現実を排除する民俗学/
福田アジオの実践への問い/
多様な実践のあり方/
柳田国男の実践と宮本常一の実践

フロアーとの討論

エピローグ

ご注文へTOPEへ