産金村落と奥州の地域社会
−近世前期の仙台藩を中心に−

池 享・遠藤ゆり子 編

2012年10月刊
A5判・296頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-773-1 C3021
6900円 (税別)
科研報告書「中近世移行期における鉱山開発と地域社会の変容に関する研究」(2010年)の成果を深化させ、「御本判制度とその運用、農業と一体となった小規模経営・労働編成、採金から製鉄・林業・炭焼きなどへの生業の転換、そこで重要性を増したと思われる山利用をめぐる相論や山守制度の問題、採金衰微に伴う逃亡・身売り・婚姻などの人の移動や他地域との新たな関係の形成などに関し、解明に向けた切り口を提示。」(池「はしがき」より)
この地域の産金の特徴は、鉱脈を掘る坑道掘りよりも 金粒採取が主だった点にある。
なお比較研究として、毛利氏支配下における石見銀山の事例を収める。
【主要目次】
文禄三年の伊達領「金山一揆」
 −葛西氏の滅亡と地域社会−
遠藤ゆり子
  金山支配の変遷/
金山年貢の収取と「金山一揆」/
領主の変動と地域社会
 
仙台藩の山守について
 −畠山家文書・山守関係文書における「御印判」−
籠橋 俊光
  仙台藩の山林制度と山守/
畠山家文書における「御印判」
 
仙台藩本判制度と産金村落
 −17世紀における東磐井郡津谷川村の事例から−
川戸 貴史
  本判制度の構造/
本判制度の展開と村落/
伏判・伏金と村の融通
 
名子と金掘 池   享
  先行研究の検討/
鈴木家の自己認識/
鈴木家と採金
 
金を掘る村の人々の成立ち ノート 蔵持 重裕
  金掘の村/
つぶれへの対策/
つぶれの実態と性格/
百姓成立ち/
百姓の共有・共生
 
産金村落における肝煎家の氏神
 −平原の雷神社−
遠藤ゆり子
  産金と雷神社/
畠山家と雷神社/
平原・古金生の講と雷神社/
祭礼の貸し借り/
親類中と雷神社
 
磐井郡東山津谷川村の平原屋敷 畠山 篤夫
東北中世史の開拓者大島正隆の鈴木家調査 柳原 敏昭
  1938年の大島正隆/
大島書簡と史料調査/
大島の民俗調査
 
毛利氏支配下における石見銀山の居住者たち 長谷川博史
  毛利元就の銀山代官/
銀山居住者たちの広域的移動と交流/
近世鉱山への転換
 

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