宿駅制度と女性差別 −買われた性・「飯盛女」− 近世史研究叢書32 宇佐美 ミサ子 著 (法政史学会評議員/1930年生まれ) 2012年12月刊 A5判・268頁・上製本・函入 ISBN978-4-87294-767-0 C3321 5900円 (税別) 品切れ |
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宿場の旅籠屋で雇用された「飯盛女」と呼ばれた女性たち。 「彼女たちは農村から宿場に「売られてきた女性」で、旅籠屋は彼女たちを「商品」として買い求め、それに付加価値をつけて旅行者に提供、それによって利益を得ていたのである。彼女たちは「商品」であるから、利用価値があれば。過酷な労働であろうと、自己の意志を提言することなど到底認められるわけはなく、牛馬の如く使役され、利用価値がなくなれば破棄されるという運命を辿った。(かつて)私は 女性にとって宿場の飯盛女は「悲惨」で、女性差別の典型であったと結論づけた。」このような論証に対する批判を受け、「本書では、遊女の置かれた現実の生活のシチュエーションから、近世の売春が歴史的事実として「どうであったのか」を実証的に検証する必要性を痛感し、私の研究テーマである宿場の飯盛女に照準をあわせ、彼女たちの生活、実態を明らかにすることで、近世における「買売春」の課題にアプローチしたいと考える。」(「はしがき」より) |
【主要目次】 |
序 章 本書の構成と飯盛女研究の動向 第1編 東海道 第2編 中山道・日光街道 第3編 宿駅制の廃止 |