シシ踊り −鎮魂供養の民俗− 菊地 和博 著 (東北文教大学短期大学部教授/1949年生まれ) 2012年9月刊 A5判・376頁・上製本・カバー装 ISBN978-4-87294-764-9 C3039 8400円 (税別) 品切れ |
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シシ踊りとは、鹿(カノシシ)や猪(イノシシ)などの野生動物をモデルとするカシラを身につけて踊る民俗芸能であり、例外をのぞき東日本にしか分布していない。さらに、東日本のなかでも、関東地方では3頭のシシ踊りが多数をしめるが、東北地方では、多頭のシシ踊りが非常に多い。踊りの機能・目的も関東地方と東北地方では、かなり異なっている。 この庶民の芸能には発生の時期や伝播経緯など未解明の部分が少なくない。とりわけ東北地方のシシ踊りについてはこれまで総体的に論じられたことはなかった。したがって、本書は東北地方のシシ踊りについて、まず歴史文化的視点を含めた立場から全体像を明らかにしようとしてみたものである。さらにその作業を通じて、東北地方のシシ踊りのみならず東日本のシシ踊りの成り立ちや伝播などについて、新しい見解と課題を提示した。 本書は、シシ踊りという庶民の芸能が、東北地方において数百年の歴史をかいくぐって亡き人々を弔い、鎮魂する役割を担い続けてきたことに、あえて焦点を当てる。 |
【主要目次】 |
序 章 |