大峯葛城嶺入峯日記集 岩田書院史料叢刊E 首藤 善樹 編 (聖護院史料研究所長/1949年生まれ) 2012年7月刊 A5判・288頁・上製本・函入 ISBN978-4-87294-760-1 C3321 7900円 (税別) |
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大峯と葛城嶺は修験道の根本的な修行地である。本書は、その両峯における本山修験の入峯日記を集録したもので、江戸期を中心に、天正14年(1586)頃から明治におよんでいる。 筆者はさまざまで、聖護院門主自身のものもあれば、門主に随行した修験奉行のもの、その同じとき先達円成寺の組下として供奉した同行山伏のもの、院家先達のもの、また青年修験者のものもあれば、講の入峯に参加した一般青年のものもある。 それぞれ時代と立場は違うが、いずれも得難い体験を書きとどめようとし、あるいは後人のため詳細に記録しようとする姿勢が貫かれている。入峯修行は通常の旅行や登山と違い、その日記は書き手に強い思いや明確な目的があって執筆したものである。初入峯や入峯度数が少ない人の日記が多いのも、涌きあがる意気込みの表れであろう。携行に便利な横半帳の小本であることも、入峯日記のよって然るべき特徴である。 本書は研究者対象の史料集ではあるが、入峯日記ということで、広く一般の方々にも興味をもっていただけるよう、句読点をできるだけ多くし、返り点を打ち、随所に注を付した。 (「あとがき」より) |
【収録史料】 |
1 葛城手日記 宝寿坊良玉撰 天正14年頃 |