生業(活動)と生産(構造)が、近接しつつも異なること、この両概念のねじれた関係がつくりだす空間を用いて、現在の人類学が直面している対象小社会なり小地域の変化する〈いま、ここ〉のリアリティを民族誌的に位置づけてみることを、共同研究会の目標と考えた。 |
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【主要目次】 |
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序 章 |
「生業と生産の社会的布置」と民族誌という企図 |
松井 健 |
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第T部 |
今日的変容―主体性と能動性 |
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第1章 |
チャングリヤール達の100年 ―ネパール、ビャンスにおける生業と生産の展開と変容― |
名和 克郎 |
第2章 |
「エランドの肉も、ウシのミルクも」 ―狩猟採集民サンの多様な生計維持活動 |
丸山 淳子 |
第3章 |
里海の多面的関与と多機能性
―沖縄県恩納村漁協の実践から─ |
家中 茂 |
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第U部 |
「伝統」との連接と離接 |
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第4章 |
漁師と船乗り ―マダガスカルとモザンビークにおける漁村伝統の対照性─ |
飯田 卓 |
第5章 |
西アフリカ・サヘル帯における農村の生業を支える伝統的慣行と食料不足の拡大 |
大山 修一 |
第6章 |
アオバナのゆくえ ―地域農業と特産物の変容─
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落合 雪野 |
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第V部 |
モノを介する関係性から |
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第7章 |
工芸生産をめぐる民族間関係 ―台湾におけるマジョリティとマイノリティの相互作用―
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野林 厚志 |
第8章 |
スーヴニールの交錯とダイナミズム ―アジア工芸の拡散変容の一側面─ |
松井 健 |
第9章 |
グローバル時代を生きる錦鯉 ―日本文化の拡散と脱国籍化、現地化─
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菅 豊 |
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第W部 |
グローバリゼーションを超える構想力 |
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第10章 |
純粋贈与されるゾウ ―バカ・ピグミーのゾウ肉食の禁止とシェリングをめぐる考察― |
安岡 宏和 |
第11章 |
マルチチュードの絶対的民主主義は可能か? ―カナダ・イヌイトの生業からみる生政治的生産の可能性 |
大村 敬一 |
第12章 |
市場経済に潜り込む生業世界 ―西ケニア山村の21世紀― |
松田 素二 |
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