尾張の荘園・国衙領と熱田社
中世史研究叢書21

上村 喜久子 著
(名古屋短期大学名誉教授)

2012年3月刊
A5判・554頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-732-8 C3321
9500円 (税別)
評者:藤本元啓氏(『日本歴史』780  2013.5)評者:小嶋教寛氏(『史学雑誌』122-9  2013.9)
東西社会の接点に位置する尾張国に本拠をもつ在地勢力が、中世日本社会の基軸をなす荘園・国衙領の形成とどのように係わりあうことによって、地域社会が展開していったのか。
また、荘園・国衙領の形成において、在地勢力の拠点としての地方寺社、とりわけ熱田社がどのような役割を果たしたのか。
本書は、このような問題意識のもとに、『新編一宮市史』『愛知県史』などの編纂を通じて、史料や絵図を詳細に分析し、尾張国の中世地域社会の具体的な様相を解明する。
【主要目次】
第1部 荘園・国衙領と在地勢力
第1章 尾張国における荘園制
 ―荘園制的領域支配と散在型所領― *新稿
第2章 尾張「良峰氏」考
 ―丹羽郡における中世的支配の形成―
第3章 絵図にみる冨田庄の開発と形成
第4章 「尾張国冨田庄絵図」の主題をめぐって
 ―文書目録と絵図読解―
第5章 国人層の存在形態
 ―尾張国国衙領地頭荒尾氏―
第6章 中世尾張国の「郷」「村」と荘園・国衙領 *新稿
  付表 尾張国中世「郷」「村」初出一覧 *新稿
第2部 中世熱田社と地域社会
第7章 尾張三宮熱田社領の形成と構造
第8章 二宮大県社考 ―尾張における一・二宮制―
第9章 地方寺院縁起の展開と地域社会
 ―笠寺縁起と熱田社―
第10章 中世地域社会における熱田信仰
史料紹介1 尾張国陽明門院勅旨田関係文書―東寺本『天台法華宗学生式問答』紙背文書
史料紹介2 「自性院縁起」―尾張国冨田庄成願寺縁起

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