戦国期の奥州白川氏 岩田選書◎地域の中世J 菅野 郁雄 著 (福島県史学会会員/1932年生まれ) 2011年12月刊 A5判・168頁・並製本・カバー装 ISBN978-4-87294-718-2 C3321 2200円 (税別) |
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白河は関東に接する奥州南端の市である。その地を支配した白川氏は、15世紀後半の直朝の時代には、南奥から北関東にまで勢力を拡大して、多くの大名や国人に対して主導的役割を果たしていた。しかし永正7年(1510)の「永正の乱」によって、白川氏は衰退した。その後、常陸太田の佐竹氏の北進によって領土を蝕われ、天正3年(1575)には、ついに白河城も攻略された。 「永正の乱」では古河公方足利政氏・高基父子や岩城氏が関与し、佐竹氏との戦いでは、近隣南奥の諸氏や那須氏・結城氏に加え、遠く越後の上杉氏、小田原の北条氏、甲州の武田氏も大きく関係している。 それゆえ、戦国期白川氏の解明には、南奥・北関東の大名や国人の動向に加え、上杉・北条・武田の挙動を知る必要があり、広範囲の史料調査を求められるが、それらの史料の多くは、無年号・年未詳のものが多い。 本書では、できるだけ多くの関連史料を収集し、年次比定をして、錯綜している白河の65年間の戦乱の歴史を解明しようとした。 なお本書は、2004年から2011年に『福島史学研究』に「奥州白川氏研究ノート」と題して発表したものを大幅に増補改稿したものである。 |
【主要目次】 |
第1章 白川氏の永正の乱 −家中分裂− |