江戸内海猟師町と役負担 近世史研究叢書28 出口 宏幸 著 (駒澤大学非常勤講師/1958年生まれ) 2011年10月刊 A5判・274頁・上製本・函入 ISBN978-4-87294-711-3 C3321 6400円 (税別) |
|
「江戸内海猟師町とは、江戸近郊に位置し、漁業生産に従事した町・村であり、その点に限れば一般漁村と同様の性格を有した。しかし、一方で大きく異なる側面も内在していた。その異なる側面とは、近世初期より幕府に対する複数の役負担を勤めたことである。筆者は、この多方面にわたる役負担にこそ、幕府に対する猟師町の存在意義があったと考えている。…猟師町に関する問題関心は、深川猟師町に集中しており、両支配(郡代・町奉行)や町場としての展開の問題を扱ったものと、漁業生産の展開とその役負担の問題を扱ったものの、二通りに分けることができる。…前者は、都市化という視点から変容する深川地域の支配あるいは土地開発について見たもので、…後者は、船持あるいは生産者としての猟師町固有の性格を解明しようとしたものである。猟師町の本質、すなわち「猟師町とは何か」または「幕府にとって如何なる存在か」という疑問に答えるべく、筆者は後者の問題にこそ猟師町としての本質を求めるべきと考えている。」(序章より) |
【主要目次】 |
序 章 江戸内海猟師町研究の現状と課題 第1部 江戸内海猟師町とは 第2部 深川猟師町の変容 第3部 猟師町の流通と生産 |