シンポジウム「村落・祭祀研究の現在−萩原龍夫・宮座研究とその継承をめぐって−」(2010年10月:明治大学博物館)の成果をまとめる。
『中世祭祀組織の研究』『巫女と仏教史』の著作で知られる萩原龍夫氏(1916-85)の遺した大量の書籍や、調査カード・写真などの貴重な資料が明治大学博物館に寄贈され、整理されて利用できるようになった。
それを機に、萩原氏の学問を継承・発展させるため、シンポ当日は、宮座研究の第一線で活躍している研究者が一同に集い、活発な議論を展開した。
それに到るまでには、萩原龍夫旧蔵資料研究会で例会をかさねてきたし、これからも継続していくことになろう。
一人の研究者が集めた資料が、どのような価値を発揮できるのか。それは、研究会のメンバーや、シンポジウムの参加者だけでなく、本書の読者に課せられた問題であろう。 |
【主要目次】 |
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[基調講演]中世・近世村落と宮座 |
薗部 寿樹 |
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畿内近国の臈次成功制宮座と臈次成功身分/名主座・名主頭役身分と名集落/近世村落と家格制宮座/宮座と村落類型論・村落構造論 |
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史料と伝承ふたたび−萩原学の継承をめぐって− |
水谷 類 |
神々と村落のあいだ−頭役祭祀研究からの展望− |
渡部 圭一 |
[シンポジウム討論]村落・祭祀研究の現在
−萩原龍夫・宮座研究とその継承をめぐって− |
(司会)水谷 類 |
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発言者:海老澤 衷・橋本章・真野純子
市川秀之・福田アジオ・森本一彦・山口信枝 |
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[萩原龍夫旧蔵資料紹介] |
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萩原龍夫、近江を歩く
−寛文13年『天王祭礼引付帳』と大宝神社文書− |
渡部 圭一 |
萩原龍夫旧蔵資料の公開に向けて |
日比佳代子 |
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