未完の国家構想
宮島誠一郎と近代日本
近代史研究叢書18

友田 昌宏 著
(中央大学兼任講師/1977年生まれ)

2011年10月刊
 A5判・548頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-706-9 C3321
9500円 (税別)
評者:宮間純一氏(『中央史学』36  2013.3)評者:藤田正氏(『日本歴史』775  2012.12)
本書の目的は、米沢藩士 宮島誠一郎(1838-1911)の国家意識の変容過程、国家構想の形成過程を考察しつつ、彼が直面した幕末・明治という時代を、新たな角度から切り取ろうとするものである。宮島は、文久3年(1863)年、藩主上杉斉憲に供奉して上京、以後、幕末の動乱のさなか藩の周旋方として活躍した。維新後は藩政改革に尽力し、明治4年、新政府の左院に出仕、「立国憲議」、内務省設立の建議、台湾出兵反対の建議を提出する。その後、宮内省の官職を歴任、貴族院議員にも勅選され、明治44年に亡くなるが、本書では、明治31年の板垣退助との民権をめぐる対立までを描く。
【主要目次】

 T 藩力の養成
第1章 米沢藩の軍制改革のなかで
第2章 文久三年京都政局のなかで
第3章 近隣諸藩との関係融和をめざして
第4章 慶応二年江戸における周旋活動

 U 中央集権体制の確立
第5章 戊辰戦争と国家意識の変容
第6章 中央集権体制の確立と藩政改革

 V 立憲政体の樹立
第7章 左院における立憲政体樹立にむけての運動
第8章 諸規取調所での活動
第9章 伊藤新体制下において

 W 「民権」の確立
第10章 置賜・山形県政下における殖産興業政策
      ―「民権」論の文脈から―
第11章 宮島と板垣退助―「民権」をめぐる相克―

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