妙高火山の考古学

小島 正巳 著
(妙高火山研究所/1931年生まれ)

2011年5月刊
A5判・286頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-688-8 C3021
6600円 (税別)
評者:川崎保氏(『季刊考古学』122  2013.2)由谷裕哉氏(『山岳修験』49  2012.3)
「本書は、新潟県妙高市の妙高山を対象とした考古学的な研究で、小島正巳さんの初めての研究書である。…本書は、大きく三つのテーマから構成されている。
 一つ目は考古学史で、第1章が充てられている。妙高市を中心とした地域の江戸時代から現代までの考古学の歩みが、実に丹念な事実の掘り起こしにもとづいて叙述されている。
 二つ目は、「山岳宗教の考古学」で、第2章から第6章までが該当する。関山神社経塚、妙高山頂遺跡などの山岳宗教遺跡で、分布調査によって得られた考古資料の綿密な検討によって、妙高山における山岳宗教の歴史を描き出している。
 三つ目は、「山地利用の考古学」で、第7章から第9章までが該当する。旧石器時代・縄文時代の遺跡、温泉、硫黄鉱山などの実態が報告され、妙高山における土地利用・資源活用の歴史の一端を知ることができる。
「山岳宗教の考古学」と「山地利用の考古学」を統一して「山の考古学」を構想し、それをフィールドワークにおいて実践したのは、本書が初めての試みである。」(解説より)
【主要目次】
序文         (明治大学黒曜石研究センター長)小野 昭
序章 妙高火山の考古学について
第1章 妙高火山をめぐる考古学史
第2章 関山神社境内の経塚
第3章 久米村大先達五位与左衛門と柏崎地区の妙高山岳信仰塔
第4章 山岳域における妙高山岳信仰遺跡の形成と変遷
第5章 妙高火山における天狗山伏の盛衰
第6章 関山権現社における神仏分離・廃仏毀釈
第7章 山麓地帯・山岳域における先史時代の生活
第8章 温泉の発見と利用―妙高火山の温泉考古学
第9章 硫黄鉱山跡、木地屋跡、カルデラ湿原の「水源碑」
終章 「山の考古学」への遥かな道程―新たな時代へ―
解説                 (立正大学准教授)時枝 務

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