戦国史研究会シンポジウム「織田権力論−領域支配の視点から−」(2010.6)の報告9本と、その後の例会報告1本を収録し、当日の白熱した討論の記録も収める。
報告者は、いずれも1973年から1980年生まれの若手研究者で、近年の戦国大名研究の成果をふまえて、2年間20回を超える準備報告を重ねてシンポジウムに臨んだ。
第T部〜第V部は一門や家臣の領域支配について分析したもので、第T部では京都とこれに近接した摂津・和泉の支配に関わる論考を置き、第U部で信長の子息である織田信忠と北畠信雄の位置づけを論じ、第V部では柴田勝家・丹羽長秀・明智光秀・羽柴秀吉といった武将たちの領国支配の内実を分析した論考を配置した。そして最後の第W部に、柴田ら大身武将を中心に信長の家臣の対外交渉における活動を探った論考を置いた。 |