本書は、14世紀末から17世紀初頭の、伊勢神宮の周辺地域の経済構造について、特に貨幣と商業組織に着目して基礎的な検討をおこなう。
第1部で神宮地域における貨幣流通史を実態的に描写することで、具体性を帯びた形で当地独自の経済構造を提示し、それを踏まえて第2部で、経済構造の高度な独自性を商業組織の実態論で考察を加える。 |
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【主要目次】 |
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序章 |
本研究の視座と課題 |
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第1部 |
伊勢神宮地域をめぐる貨幣流通の実態とその構造 |
第1章 |
15世紀末から17世紀初頭における貨幣の地域性
―神宮地域を事例に― |
第2章 |
神宮地域における貨幣流通構造 |
第3章 |
神宮地域における銀の普及と御師の機能 |
第4章 |
神宮地域における永楽銭の流通 |
第5章 |
伊勢大湊をめぐる貨幣流通構造に関する一試論
―永禄三年『古日記』の銭名記載に着目して― |
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第2部 |
伊勢神宮地域をめぐる「商業地域」と「商業組織」 |
第6章 |
神宮地域内における「商人宿」の物流構造
―特に伊勢河崎の川湊機能に着目して― |
第7章 |
伊勢山田における「近地域間構造」 |
第8章 |
伊勢神宮内部の経済構造
―外宮門前町山田と外宮子良館との経済的接点を中心に― |
第9章 |
神宮地域における「商業地域」と「流通様相」
―特に水産物流通と商業組織に着目して― |
第10章 |
伊勢山田における地域特性の形成と変容 |
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終章 |
総括と課題 |
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