武蔵大石氏
論集 戦国大名と国衆@

黒田 基樹 編
 (駿河台大学准教授/1965年生まれ)

2010年5月刊
A5判・272頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-624-6 C3321
2800円 (税別)
「本書は、武蔵大石氏に関する主要な論文を集成し、これまでの研究成果の総括を図るとともに、新たに現在における研究の到達点をまとめた「総論」を付して、あわせて今後における研究の進展をはかろうとするものである。
 大石氏は、関東管領・武蔵守護を歴任した山内上杉氏の有力宿老家の出身で、戦国期には惣領家にあたる遠江守家が、武蔵守護代に就くとともに、多西郡由井城を本拠に領国を形成し、武蔵西部における有力国衆として展開した。しかし戦国期半ばに小田原北条氏に従属し、さらに同氏一門の氏照によって継承されたことによって、事実上、国衆としての大石氏の歴史は終息をみる。本書には、室町期の大石氏の動向から、戦国期の氏照による継承に至るまでの、大石氏の動向を理解するうえで重要ととらえられる論文を集成した。
 もっとも大石氏については、すでに1975年に「関東武士研究叢書」第2巻として杉山博・栗原仲道編『大石氏の研究』(名著出版)が刊行されており、それ以前における主要な研究成果が集成されている。そのため本書は、基本的にはそれ以降における研究成果を集成するものとなっている。しかしながらこの40年における研究の進展には著しいものがある。そのため主要な研究であっても、すべてを収録することはやはり不可能であり、それらについては総論のなかで取り上げて、研究成果の把握に配慮するように努めている。」  (本書「総論」より)
【主要目次】 
総論 武蔵大石氏の系譜と動向 黒田基樹
『大石氏の研究』
 (八王子市教育委員会、1972)
大石氏史跡調査研究会(松井源一ほか)
「武蔵守護代大石憲儀の新史料」
 (『武蔵野』303、1983)
奥野高廣
「武州前沢浄牧院と大石氏」
 (『埼玉史談』192・193、1983)
前島康彦
「武蔵守護代大石氏に関する二、三の考察」
 (『史学研究集録』14、1989)
岩崎 学
「大石氏に関する文献的研究」
 (『東京都埋蔵文化財センター研究論集』9、1991)
伊藤敏行
「武蔵守護代大石氏の盛衰」
 (『福生市史 上巻』、1993)
長塚 孝
「北条氏照継承前の大石氏」
 (『戦国史研究』44、2002)
長塚 孝
   

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