棟札の基礎的研究
主として甲斐国の事例を素材として【全2冊】

秋山 敬 著
(元 山梨県史編纂室長/1945年生まれ)

2010年2月刊
B5判・総438頁・函入
ISBN978-4-87294-599-7 C3021
揃18800円 (税別)分売不可
 「本書では地域性を分析の基点におき、総高・幅・厚さなどの基本的数値の変化を追い、尖頭度、縦横度、上幅・下幅の幅差比較などの数値基準を用いて形態的特徴の解明を図るとともに、工種・建物の名称、慣用句・符号・呪符など、棟札に常用される語句等を悉皆的に整理・検討し、書式の類型化を試み、分布域や甲斐国の特殊性を探ってみた。意図するところは、棟札を建築史学だけではなく、古文書と同様に歴史解明の史料の一つとして汎用できるよう、その方途に迫ることができるよう心掛けたつもりである。」(本書「序」)
国立歴史民俗博物館『棟札銘文集成』、山梨県史編纂室『山梨県棟札調査報告書』の調査に携わった著者が、山梨県内の棟札約3500点をデータ化して282表にまとめ、それをもとに分類分析し、科学的な「棟札学」を提示する。
【主要目次】
■本編■ 284頁・上製本
序 章 棟札類の定義と分析視角としての地域区分
第1章 棟札の作り方
  文献からみる棟札の書式/
筆者/
作製時期/
作製枚数/
設置方法/
旧札の利用/
「棟札」の呼び方
第2章 棟札類の形態的特徴との数値の変遷
  頭部形態による分類/
各部位の数値/
尖頭形棟札類の頭部角度-尖頭度/
縦長と幅広-縦横度/
幅差からみた区分/
切欠
第3章 記載内容からみた棟札類型化試論
  主たる記事内容による分類/
両面の使い方による分類/
配字形態による分類/
文体による分類/
文言表記による分類
第4章 工種・建物の表記と工程及び遷宮式
  工種の表記と特殊表記/
建物の名称/
工程遷宮式/
上棟・成就と遷宮の関係
第5章 慣用句・符号(記号)・呪符
  仏教系の慣用句/
神道系の慣用句/
四字語の慣用句/
和歌/
符号(記号)・呪符
終 章 「棟札学」の構築に向けて
  棟札を作製する意図/
再び棟札の定義について
付録:増補 棟札銘文集成
  本表: 62表
■別冊■ 154頁・並製本
  別表:220表

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