柳田国男 社会改革と教育思想

福井 直秀 著
(京都外国語大学教授/1949年生まれ)

2007年3月刊
A5判・314頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-464-8 C3039 \6900E
6900 (税別)

 「本書は、柳田国男の生涯にわたり、社会変革思想と関わっていた教育思想を考察することを目的とする。…柳田改革構想の中に、教育は終始中心的な位置を占めていた。」
「私の論考の特徴の一つは、1920年代普選運動期の政治評論を柳田の政治思想・改革構想の確立と見る点にある。柳田にとって、政治への民衆の登場が新しい共同体の構築を可能にさせると思えたのである。…
 第二は、柳田の内面に分け入ってその論理をたどり、時にはその不十分性を明らかにしたことである。柳田の可能性を探るには、庄司和晃らによる顕彰ではなく、また村井紀流の外在的批判でもなく、まさに内在的な批判が必要である。この点は、かなりの部分で果たせていると思う。」(本書「はじめに」より)
【主要目次】

第1章 農政官僚時代の農業教育論
農政論/農村出離/学校論/社会教育論
第2章 普通選挙実現と柳田国男の政治評論
朝日新聞論説班員/柳田の政治評論/政治評論における柳田の手法
第3章 柳田国男にとっての近代
民俗学の意味/柳田にとっての近代/社会変革論
第4章 柳田国男のアジア認識
インドネシア/「政治」としての「南洋」/「南洋」をどうするか/比較民俗学
第5章 柳田国男の学校教育論
前代の教育/義務教育論/社会教育論/「半日学校」論/
中学入試問題/師範学校問題/中学校問題/軍事教練問題
第6章 柳田国男の国語教育論
前代の国語教育/標準語の形成/学校教育としての国語教育/標準語の推進者
第7章 柳田国男の郷土教育論
「郷土研究と郷土教育」以前/「郷土研究と郷土教育」/
尾高豊作との「論争」/郷土と道徳
第8章 柳田国男の社会科教育論
民俗学と子ども/歴史への誘い/戦争との距離/
柳田社会科の理論/柳田社会科の展開



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