陸奥国の中世石川氏
岩田選書◎地域の中世18

小豆畑アズハタ タケシ
(福島県石川町文化財保護審議会会長/1941年生まれ)


2017年2月刊
A5判・238頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-986-3 C3321
3200円 (税別)
「石川氏の歴史は在地領主の歴史そのものであった。始祖有光の土着と開発、それ以後は鎌倉幕府、南朝と足利氏、室町幕府と鎌倉府、そして豊臣政権と、その時々の上部権力に翻弄され、また近隣有力領主との抗争に明け暮れ、分立した一族を内部から統一して大名権力を造出することなく父祖の地を去った。」(本書「終章」より)
本書は、平安末期から戦国末期まで、陸奥国石川(三蘆)城(福島県)主家であった石川氏とその一族の歴史を、自治体史や文献史学・考古学等の成果をふまえて、明らかにする。
【主要目次】

序 章 本書の目的と研究史

第1章 奥州藤原氏と石川氏 ―柳之御所跡出土折敷墨書をめぐって―
      折敷墨書の人々/大石・入間田、岡田説/
      奥州藤原氏と石川氏・佐竹氏
第2章 鎌倉期・南北朝初期の石川小平・石川大嶋氏
      石川小平氏の系譜/北条貞時供養記/
      小平義光・光俊父子の南北朝動乱/他
第3章 石川一族惣領石川泉氏の成立
      石川荘泉村の開発/南北朝動乱と石川一族の混迷/
      石川一族惣領家の成立
第4章 一五〜一六世紀前半の南奥石川氏
      石川氏をめぐる諸勢力/石川氏と古河公方/石川氏の構造
第5章 沢井・上館氏ノート
      始祖石川基光/鎌倉・南北朝〜近世の沢井氏/
      沢井系図/沢井城/他
第6章 戦国期石川一族の存在形態と伊達領国化
      一族一揆と惣領職/伊達政宗の南奥制覇と石川氏/
      伊達服属後の石川昭光/他
第7章 石川昭光と奥羽仕置
      昭光の国人領主としての位置/小田原参陣と昭光/
      石川領の没収

終 章 中世石川氏の史的概観

附:関係諸氏系図・石川荘の地名

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