「本書は、鎌倉寺社が、近世に入り、江戸幕府のなかに位置づけられ、また、近世社会のなかで他者とどのように関係を生成し、展開していったのか、そして寺社内部にどのようなシステム・制度を構築し、運用していったのか、これらを考察することで、近世の鎌倉寺社像を明確にすることを目的とする。」(本書「序」より)
本書は『建長寺史』編纂のための調査過程で得た成果で、寺内にある未整理の近世・近現代史料が一万点以上をもとに、立ち後れている近世の鎌倉寺社について考察する。 |
【主要目次】 |
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豊臣秀吉・徳川家康の鎌倉寺社政策
―両政策の異質性と家康の関東領国整備― |
中野 達哉 |
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豊臣秀吉の鎌倉寺社保護政策/
徳川家康の寺社政策 |
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御朱印地配分からみる近世鎌倉寺社領の成立と構造 |
中村 陽平 |
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鎌倉寺社領の朱印高と配分/
鶴岡八幡宮・円覚寺の朱印配分と構造/
建長寺領の朱印配分と構造/
天正十八年の指出と鎌倉寺院の近世化 |
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近世臨済宗建長寺派における在地寺院の編成 |
澤村 怜薫 |
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本末・配下関係の改編/
公儀触れ巡達の経路と本末・配下関係 |
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近世における建長寺の寺院経営と祠堂金貸付 |
鈴木 雅晴 |
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祠堂金の蓄積と貸付の開始/
祠堂金貸付の組織的運用化/
祠堂金貸付の行き詰まり/
建長寺の寺院経営 |
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近世における鎌倉寺院と江戸
―建長寺江戸宿坊の機能と役割を中心に― |
保垣 孝幸 |
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建長寺「江戸宿坊」の概要/
江戸宿坊の機能と役割/
宿坊地主「籠屋善助」と建長寺 |
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鎌倉周辺における異国船来航と寺社の対応
―近江多賀大社の配札と鎌倉五山の祈?を中心に― |
江尻 恵子 |
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彦根藩の相州警備と近江多賀大社の祈?札配札/
ペリー来航と異国船退散の祈? |
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