鎌倉寺社の近世
−転換する中世的権威−

中野 達哉 編
(駒澤大学教授/1959年生まれ)

2017年9月刊
A5判・210頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-985-6 C3021
2800円 (税別)
評者:井上隆男(『地方史研究』391  pp148  2018.02)評者:山本秀夫(『地方史研究』392  pp90-91  2018.04)
「本書は、鎌倉寺社が、近世に入り、江戸幕府のなかに位置づけられ、また、近世社会のなかで他者とどのように関係を生成し、展開していったのか、そして寺社内部にどのようなシステム・制度を構築し、運用していったのか、これらを考察することで、近世の鎌倉寺社像を明確にすることを目的とする。」(本書「序」より)
本書は『建長寺史』編纂のための調査過程で得た成果で、寺内にある未整理の近世・近現代史料が一万点以上をもとに、立ち後れている近世の鎌倉寺社について考察する。
【主要目次】
豊臣秀吉・徳川家康の鎌倉寺社政策
 ―両政策の異質性と家康の関東領国整備―
中野 達哉
  豊臣秀吉の鎌倉寺社保護政策/
徳川家康の寺社政策
 
御朱印地配分からみる近世鎌倉寺社領の成立と構造 中村 陽平
  鎌倉寺社領の朱印高と配分/
鶴岡八幡宮・円覚寺の朱印配分と構造/
建長寺領の朱印配分と構造/
天正十八年の指出と鎌倉寺院の近世化
 
近世臨済宗建長寺派における在地寺院の編成 澤村 怜薫
  本末・配下関係の改編/
公儀触れ巡達の経路と本末・配下関係
 
近世における建長寺の寺院経営と祠堂金貸付 鈴木 雅晴
  祠堂金の蓄積と貸付の開始/
祠堂金貸付の組織的運用化/
祠堂金貸付の行き詰まり/
建長寺の寺院経営
 
近世における鎌倉寺院と江戸
 ―建長寺江戸宿坊の機能と役割を中心に―
保垣 孝幸
  建長寺「江戸宿坊」の概要/
江戸宿坊の機能と役割/
宿坊地主「籠屋善助」と建長寺
 
鎌倉周辺における異国船来航と寺社の対応
 ―近江多賀大社の配札と鎌倉五山の祈?を中心に―
江尻 恵子
  彦根藩の相州警備と近江多賀大社の祈?札配札/
ペリー来航と異国船退散の祈?
 

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