山岳宗教遺跡の研究

時枝 務 著
(立正大学教授/1958年生まれ)


2016年7月刊
A5判・296頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-971-9 C3021
6400円 (税別) 品切れ
評者:関口功一(『群馬文化』326  pp62  2016.07)評者:岡寺良(『山岳修験』59  pp87-89  2017.03)
著者は『修験道の考古学的研究』(2005)、『山岳考古学−山岳遺跡研究の動向と課題−』(2014)、『霊場の考古学』(2014) を刊行してきたが、いずれも山岳宗教を直接扱ったものではなかった。
そこで本書では、考古学の方法により、山岳宗教遺跡の個別的検討を通じて、山岳宗教史の研究を目指した。
従来、その研究方法は、文献史料か民俗資料に立脚するものが主流をしめていたが、古代・中世の霊山の実態を物語るものは稀で、実証的な研究が困難な場合が多い。そこで注目されるのが考古資料であり、その活用によって研究成果を上げることが期待できる。
本書は、その具体的な研究成果である。
【主要目次】

序 章

第一部 霊山の宗教空間
第一章 三輪山の祭祀空間
第二章 中世大峰山の空間構造
第三章 近世立山の宗教空間 −考古学からのアプローチ−

第二部 霊山の歴史的諸段階
第四章 筑前宝満山における山頂祭祀の成立
第五章 白山禅定と男体山禅定 −白山山頂遺跡の特質をめぐって−
第六章 近世富士信仰の諸段階

第三部 霊山をめぐる宗教文化
第七章 平安時代前期における山岳宗教の動向
      −三鈷鐃を手がかりに−
第八章 中世羽黒山の宗教文化
第九章 霊神碑と木曽御嶽講 −北関東の事例−

終 章

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