先住民生存捕鯨の文化人類学的研究
国際捕鯨委員会の議論とカリブ海ベクウェイ島の事例を中心に

浜口 尚 著
(園田学園女子大学短期大学部教授/1955年生まれ)


2016年7月刊
A5判・204頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-969-6 C3039
3000円 (税別)
評者:岸上伸啓(『文化人類学』81-3  pp539-542  2016.12)
手漕ぎボートに6人が乗り込み、ザトウクジラを追い、手投げ銛で仕留める―。カリブ海の島で現在も行われている捕鯨を、1991年以降、継続的に調査した捕鯨民族誌。併せて、先住民生存捕鯨をめぐる国際捕鯨委員会(IWC)における議論を整理し、問題点を提起する。
【主要目次】

序 章

第1章 先住民生存捕鯨研究への視座
 1 用語の問題
   −「原住民生存捕鯨」か?それとも「先住民生存捕鯨」か?−
 2 先住民生存捕鯨に関する先行研究

第2章 先住民生存捕鯨−歴史と現状−
 1 歴史/ 2 現状/ 3 課題

第3章 セント・ヴィンセントおよびグレナディーン諸島国ベクウェイ島の
     先住民生存捕鯨
      −国際捕鯨委員会における議論
        − 第30回(1978)〜第64回(2012)
 1978-85年 先住民生存捕鯨前史/1986-87年 先住民生存捕鯨の承認/
 1988年 母仔連れ鯨捕殺の問題化/1990年 老銛手1人の捕鯨/
 1993年 捕殺枠の削減/1996年 若者の捕鯨への参画/
 1998年 捕鯨の人道性をめぐって/
 1999年 仔鯨捕殺禁止規定の明確化/
 2000年 仔鯨でない小さな鯨の捕殺問題/2002年 政治的勝利/
 2004年 仔鯨を伴った雄鯨捕殺の承認/2007年 捕殺枠の安定化/
 2012年 ホエール・ウォッチングからの反撃

第4章 ベクウェイ島捕鯨民族誌
 1 捕鯨の歴史
 2 捕鯨の現況
 3 ベクウェイ島の捕鯨をめぐる国際関係
 4 捕鯨文化と観光開発
 5 ホエール・ウォッチング −小さな捕鯨の島の厄介な問題−

第5章 先住民生存捕鯨の将来
 1 議論の総括/ 2 国際捕鯨委員会と先住民生存捕鯨の将来

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