戦国期越中の攻防
「境目の国」の国人と上杉・織田
中世史研究叢書30

高岡 徹 著
(元 富山県庁勤務/1950年生まれ)


2016年8月刊
A5判・380頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-968-9 C3321
8000円 (税別) 品切れ
評者:峰岸純夫(『富山史談』182  pp67-69  2017.02)評者:萩原大輔(『織豊期研究』19  pp94-101  2017.10)評者:前嶋敏(『日本歴史』835  pp96-98  2017.12)
越中は、東西勢力の境界線に位置する国として、戦国大名は育たなかったが、上杉や、一向一揆、織田・豊臣など、周囲の大勢力に常に揺さぶられ続けた。それは「境目(さかいめ)の国」が置かれた宿命でもあった。
本書には、そうした歴史的風土の形成に関わる戦国期越中の様相を、さまざまな角度から扱った論考を、国人の世界、上杉氏と越中、織田氏と越中、佐々成政の戦い、鉄砲と越中、の5部に分け、12編収めた。
【主要目次】

 T 国人の世界
国人石黒氏の盛衰と城下町の様相
 ―戦国末期における木舟城と城下町の復原を中心に―
国人領主の経済活動
 ―赤丸城主中山氏による米の貸付けを中心に―

 U 上杉氏と越中
戦国期における上杉氏の越中在番体制とその展開
 ―永禄十二年から天正十三年まで―
上杉謙信による両越国境地帯の海岸防衛
 ―椎名牢人の「海賊」史料を中心に―

 V 織田氏と越中
「安城」の所在に関する再検討
 ―本能寺の変直前の富山城争奪戦―
菊池右衛門入道宛柴田勝家書状をめぐって
 ―石動山合戦と神保長住問題―
小出城攻防戦
 ―上杉・織田(佐々)「境目の城」の攻防―

 W 佐々成政の戦い
佐々成政の五箇山一向一揆制圧
 ―高清水山地の戦いとその実相―
佐々成政の飛騨高原郷進攻
前田利家による国人菊池氏の調略

 X 鉄砲と越中
戦国期における鉄砲使用の実態 ―越中を中心に―
流転の砲術師唐人氏 ―その軌跡と実像―

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