近世琉球貿易史の研究
近世史研究叢書44

上原 兼善 著
(岡山大学名誉教授/1944年生まれ)


2016年6月刊
A5判・552頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-957-3 C3321
12800円 (税別)
2017年11月:増刷出来

*第15回「徳川賞」受賞 2017.09 http://www.tokugawa.ne.jp/encourage_2017.htm
*第59回「日経・経済図書文化賞」受賞 2016.11 https://www.jcer.or.jp/bunka/59bunka.html
*第39回「角川源義賞」受賞 2017.10 http://www.kadokawa-zaidan.or.jp/kensyou/kadokawa/
評者:松浦章(『南島史学』84  2016.11)評者:豊見山和行(『琉球新報』2018.01.21  15面)
本書では、まず中国市場での唐物購入にあたっての資金の調達、輸入唐物の日本市場での換銀という進貢貿易の基本的な構造を明らかにする。この琉球の進貢貿易は、薩摩藩の戦略もあって、長崎の会所貿易にシステム的に結ばれ、薩摩藩の唐物商売は拡大を遂げるが、これが琉球にもたらした影響についても考察する。唐物以外に、琉球の特産品(砂糖・鬱金・反布・藍・泡盛など)の流通も取り上げ、鹿児島や上方市場への販売にあたって、薩摩藩との確執を明らかにすることによって、琉球と日本幕藩制国家との関係を読み解く。
【主要目次】 表63点

序 論
序 章 近世の初期・中期の琉球貿易概観
第1章 琉球王府財政と進貢貿易
第2章 進貢貿易の輸出入の動向
第3章 文化期薩摩藩の琉球政策と王府の動向
第4章 薩摩藩による長崎商法の展開
第5章 薩摩藩の初期天保改革と琉球
第6章 薩摩藩の渡唐船の拡幅ならびに昆布貿易の拡大要求と琉球
第7章 交易と渡唐役者の動向
第8章 薩摩船による北国筋における抜荷
第9章 幕府天保改革と藩長崎商法の停止
第10章 長崎貿易の復活と薩摩藩の対フランス交易構想
第11章 産物方体制下の唐物商法
第12章 産物方体制と渡唐役者の動向
第13章 島津斉彬藩政と交易
終 章 王国末期の貿易と渡唐役者
付 論 初期徳川政権の貿易統制と島津氏の動向

*第1刷「訂正表」(第2刷本では、訂正してあります)

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