近江商人の酒造経営と北関東の地域社会
 −真岡市辻善兵衛家文書からみた近世・近代−

大豆生田 稔 編
(東洋大学教授/1954年生まれ)

2016年4月刊
A5判・248頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-86602-955-9 C3021
5800円 (税別) 品切れ
本書は、近江商人の系譜をひく辻家が下野国(栃木県)真岡で酒造業をはじめた18世紀半ばから、経営の発展により真岡町政にも有力な位置を占めるようになる幕末・維新期をへて、酒造を軸に安定的な経営を確立する第一次大戦前後にいたる時期を対象として、6章で構成する。それらは、創業から1920年代後半にいたる酒造経営の展開、在郷町真岡の町政への参加、真岡がある芳賀郡の酒造組合の活動や同郡の地域的な特徴、さらに近江商人としての辻家のエートスの考察など、多岐におよぶ。
【主要目次】
第一章 「修斎帖」などにみる江戸期の辻善兵衛家 龍澤  潤
   真岡への出店/
 幕末における辻家の動向
 
第二章 近世・近代移行期における真岡町の町政と在郷商人 中村 崇高
   近世真岡町の支配と在郷商人/
 近世・近代移行期における在郷商人と地域社会
 
第三章 酒造経営の展開 大豆生田稔
   1870年代〜80年代―多角的な経営/
 1900年代―酒造経営の基礎/
 1910年代―酒造の拡大―/
 1920年代―酒造経営の安定化
 
第四章 栃木県における酒造組合成立史 白田 拓郎
   酒造組合の濫觴期―1890年前後/
 栃木県酒造組合の成立/
 芳賀酒造組合の発足/
 芳賀酒造組合の財政
 
第五章 明治・大正期の農会と農事指導 白田 拓郎
   栃木県農会の成立と活動の概要/
 肥料の粗製濫造とその対策/
 大正期における肥料代高騰とその対策
 
第六章 辻善兵衛家の家憲・店則にみる近江商人のエートス
窪田 和美
   内藤莞爾の「宗教と経済倫理―浄土真宗と近江商人」/
 近江商人の特徴/
 家憲・店則からみる辻善兵衛家の価値観/
 明治を生きた近江商人のエートス
 

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