幕末佐賀藩の科学技術 全2冊

「幕末佐賀藩の科学技術」編集委員会編

2016年2月刊
A5判・総806頁・上製本・カバー装
揃18400円 (税別、分売可)
佐賀の幕末明治初年の科学技術についての解明は、急速に進展し、これまでの定説的な事項の再検討が行われて、新しい段階になっている。
国立科学博物館が中心になって実施された科学研究費特定領域研究「我が国の科学技術黎明期資料の体系化に関する調査・研究」(略称「江戸のモノづくり」)による調査と研究は、2001年度から2005年度にかけて行われ、佐賀もその一端を担った。佐賀藩・小城藩・蓮池藩・武雄鍋島家・諫早家、その他の家文書などの関係史料の調査が進み、幕末明治初期の科学技術に関する認識が深まった。
この状況をさらに進めたのが、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼・造船・石炭産業」の世界遺産登録推進事業であった。築地反射炉跡、多布施反射炉跡、精錬方跡、三重津海軍所跡の発掘調査が行われ、出土遺物の科学的分析によって、文書調査では解明出来なかった諸事項が明らかになった。また、県や市に所属する研究者が発掘や調査に従事し、新しい視点で分析を進めた。このような最新の成果を収録したのが本書である。
【主要目次】 
■上巻■長崎警備強化と反射炉の構築 370頁・8500円+税
    ISBN978-4-86602-948-1 C3021
序 章 編集委員会
第一編 長崎警備体制の強化  
一八世紀における佐賀藩の長崎警備 富田 紘次
長崎警備における三家
 ―小城藩を事例として―
野口 朋隆
佐賀藩の情報収集と意思決定
 ―天保〜嘉永期を中心に―
片倉日龍雄
長崎港外防備強化策の進展過程
 ―両島台場築造の様相について―
倉田 法子
長崎両島台場の変遷
 ―幕末期洋式砲台としての評価―
田口 芙季
第二編 反射炉の構築  
ヒュゲーニン「鋳造書」の佐賀藩翻訳書の分析 竹下幸一
長野 暹
幕末佐賀藩における反射炉操業の変化と画期 前田 達男
佐賀藩「御鋳立方の七賢人
 」―経歴と事績を中心に―
串間 聖剛
鍋島文庫『褒賞録』からみる御鋳立方の技術者 山口佐和子
川久保美紗
佐賀藩反射炉見学者の実見録 大園隆二郎
佐賀藩御鋳立方田中虎六郎の事績 多久島澄子
佐賀藩反射炉跡出土鉄関連遺物の自然科学的分析 平井 昭司
佐賀藩反射炉跡出土遺物の分析
 ―レンガ・鉄滓の蛍光X線分析―
田端 正明
 
■下巻■洋学摂取と科学技術の発展 436頁 9900円+税
    ISBN978-4-86602-949-8 C3021
第三編 蘭学・英学の摂取  
佐賀藩武雄領における洋学導入 川副 義敦
佐賀藩における西洋医学の受容と展開 青木 歳幸
石橋家資料に見る佐賀藩の長崎海軍伝習
 ―安政五年・六年を中心に―
百武 由樹
佐賀藩の英学の始まりと進展
 ―石丸安世を中心に―
多久島澄子
第四編 精煉方と蒸気船建造  
幕末佐賀藩科学技術系役局の変遷 中野 正裕
精煉方の活動 ―幕末佐賀藩の近代化産業遺産全般に対する歴史文献調査から― 松田 和子
幕末佐賀藩三重津海軍所跡の概要
 ―在来技術と西洋技術の接点―
前田 達男
幕末佐賀藩の蒸気船製造
 ―凌風丸への道程―
本多 美穂
佐賀藩三重津海軍所跡出土品の化学分析
 ―銅製品・坩堝・炉壁―
田端 正明
第五編 文久〜明治期の大小銃鋳造と電信技術  
幕末佐賀藩における西洋銃陣の成立と変遷
 ―天保から万延元年惣鉄砲制まで―
金丸 智洋
佐賀藩における文久・慶応期の製砲事業 前田 達男
精煉方から工部省へ 宇治  章
ICP-MS法とエックス線分析法を用いた歴史鉄試料の分析 尾花侑亮
栗崎敏
沼子千弥
長野暹
横山拓史
山口敏男
脇田久伸
 
【編集委員】青木歳幸・大園隆二郎・長野暹・本多美穂・前田達男
【執筆者紹介】50音順
青木(佐賀大学特命教授) 宇治(佐賀県立博物館) 大園(鍋島報效会) 片倉(幕末佐賀研究会) 金丸(幕末佐賀研究会) 川久保(佐賀県公文書館) 川副(武雄市歴史資料館) 串間(佐賀県立図書館) 倉田(長崎市経済局文化財部) 多久島(幕末佐賀研究会) 田口(株・九州文化財研究所) 竹下(在来知歴史学会) 田端(佐賀大学名誉教授) 富田(鍋島報效会) 中野(佐賀県立図書館) 長野(佐賀大学客員研究員) 野口(昭和女子大学教授) 百武(佐賀県立図書館) 平井(東京都市大学名誉教授) 本多(佐賀県立図書館) 前田(佐賀市教育委員会) 松田(佐賀県立図書館) 山口佐和子(Universite Paris1 修士課程) 脇田(佐賀大学シンクロトロン光応用研究センター)
 

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