東北からみえる近世・近現代
−さまざまな視点から豊かな歴史像へ−
東北大学「東北アジア研究専書」

荒武 賢一朗 編
(東北大学准教授/1972年生まれ)

2016年3月刊
A5判・300頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-86602-946-7 C3021
6000円 (税別)
「本書は、東北大学東北アジア研究センターおよび同センター上廣歴史資料学研究部門の共同研究「江戸時代から現代に通じる東北の歴史」(研究代表者・荒武賢一朗)を出発点として、その成果をまとめた論文集である。
我々の共同研究では、近世から近現代における東北地方の歴史事象をもとに各論の分析を深めてきた。そしてこの個別課題は、特定の分野のみに対応するのではなく、ひとつの「こだわり」からさまざまな論点への波及を想定している。少なくともこの共同研究のメンバーが連携することで、各自が手掛ける史料調査、事例の分析とその歴史的意義、さらに史実の豊富化が実現できた。本書からの発信によって、今後、東北史研究に少なからぬ影響を与え、新しい歴史像の構築への貢献になるものと信じている。(中略)
 独自の試みとしては、@対象とする時期と地域のゆるやかな絞り込み、A論点の尖鋭化、B新出史料の活用、C各論の他地域との連動、といったところに力点を置いた。」  (本書「序章」荒武執筆より)
【主要目次】 
序 章 荒武賢一朗

第一部
 領主と民衆の交差 ―江戸時代の支配とは何か
 
第一章
 近世大名領における財政支出と武士・足軽
  ―仙台伊達家とその組織を中心に―
荒武賢一朗
第二章
 出羽国村山郡幕府領村役人の江戸廻米構想
野本 禎司

第二部
 物流の変化を追う ―東北の商工業―
 
第三章
 近世東北における馬の流通と死馬利用
兼平 賢治
第四章
 近世後期の米沢藩における織物業と専売制
  ―嘉永期を中心として―
宮田 直樹
第五章
 戦前期東北の百貨店業形成 ―藤崎を事例に
加藤 諭

第三部
 東北地方の人物とその影響力
  ―社会を動かそうとする人々―
 
第六章
 平田篤胤と「大東亜戦争」
  ―『秋田魁新報』から見る篤胤没後百年祭―
三ツ松 誠
第七章
 軍医坂琢治と妻しまの授産事業
  ―「宮城授産場日誌」をてがかりに―
佐藤和賀子
第八章
 ハンセン病回復者の社会復帰と宮城県本吉郡唐桑町
松岡 弘之

ご注文へTOPEへ