戦国期地域権力と起請文
岩田選書◎地域の中世17

月井 剛 著
(栃木県立文書館指導主事/1976年生まれ)


2016年1月刊
A5判・182頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-942-9 C3321
2200円 (税別)
本書は、戦国期東国(関東に加え、甲信越・南奥を含む)の地域権力が発給した起請文について、料紙(牛玉宝印)等の古文書学的特徴〔様式面〕と、交換に至るまでの政治過程、発給・徴収手続き等〔実態的側面〕を分析し、領主権力の一端を考察したものである。
様式面では、起請文料紙に使用された「那智瀧宝印」の版木や朱印の形状を中心に、料紙の特徴を精査し分析する。実態的側面では、起請文発給者・受給者間の身分・家格の差を踏まえ、その内容・発給契機・手続き等の比較検討を行うことで、個々の服属状況をより具体的に明らかにし、権力編成の在り方を問う。
【主要目次】 起請文写真35点(内カラー4点)収録

序 章

第一章 起請文の諸様式
       ―佐竹氏・南奥領主・後北条氏の比較検討―
      佐竹氏の起請文/
      南奥領主の起請文/
      後北条氏の起請文

第二章 「揚北衆」の起請文
      永正〜大永期の起請文/
      享禄〜天文期の起請文

第三章 笠間氏の服属過程 ―起請文の交換に着目して―
      起請文交換前の状況/
      宇都宮氏・佐竹氏への服属過程/
      起請文交換後の動向・存在形態

補 論 武茂氏の動向
      応永〜文明期頃の動向/
      永禄期以後の動向/
      武茂氏の信仰

第四章 佐竹氏の起請文発給・受給形態
      佐竹氏の起請文/
      佐竹氏の起請文言を含む書状・判物/
      起請文と起請文言を含む書状・判物の比較

第五章 後北条氏の起請文発給・受給形態
      後北条氏の起請文/
      後北条氏の起請文言を含む判物・書状/
      後北条氏の起請文徴収手続

終 章

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