戦国期の地域権力と惣国一揆
中世史研究叢書28

長谷川 裕子 著
(福井大学准教授/1972年生まれ)


2016年1月刊
A5判・368頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-941-2 C3321
7900円 (税別)
評者:川端泰幸(『日本歴史』840  pp109-111  2018.05)
「本書は、戦国期に形成された「地域権力」と「惣国一揆」という二つの戦国期権力を軸に、戦国期社会の実像およびその特質を解明しようと試みたものである。特に、両権力の形成過程やその構造を、村との関係に留意しながら分析することにより、前時代である室町期とは異質な戦国社会の特徴を明確化し、その近世社会への継承・展開過程を見通すことを主眼としている。(中略)
 第一部では、戦国期地域権力の内部構造や、戦国大名権力を支える末端家臣としての土豪の存在、および権力の体制基盤である村と村請の仕組みについて追究した。(中略)
 第二部では、戦国期地域権力の特質を捉えるために、特に地域社会の紛争解決の仕組みや平和形成の方法について追究した。(後略)」(本書「序章」より)
【主要目次】

序 章 本書の視角と構成

第一部 戦国期地域権力の構造
第一章 戦国期「家」権力論の成果と課題
第二章 畿内近国「国衆」の動向とその性格
第三章 「大原同名中与掟写」にみる「同名中」領の基礎構造
第四章 戦国大名被官としての土豪
第五章 戦国期における村請の構造と土豪

第二部 戦国期地域権力の特質
第六章 用水相論の実態と戦国大名権力
第七章 紛争裁定にみる戦国大名権力の特質
第八章 惣国一揆権力の紛争裁定
第九章 惣国一揆権力の平和維持と軍事行動
第十章 十五〜十七世紀における村の構造と領主権力
補 論 太閤検地・兵農分離と中近世移行期研究

ご注文へTOPEへ