明治前期の地域経済と社会
出羽村山地方を中心に
近代史研究叢書22

横山 昭男 著
(山形大学名誉教授/1930年生まれ)


2015年10月刊
 A5判・292頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-934-4 C3321
7800円 (税別)
評者:長沼秀明(『地方史研究』404  pp107-108  2020.04)
明治維新による諸制度の転換は、地域の産業や経済の仕組みを変える過程でもあったが、一様に変わったわけではない。そこで本書では出羽村山地方(現山形県)に焦点を置き、資料的には明治前期の産物統計を中心として、産業構造の地域性を明らかにしようとした。
第1編では、現山形県が統一する前(明治4〜9年)の三県時代(山形・置賜・酒田)の地域別産業の特徴と、統一後の三島通庸県令時代および明治20年代の三新法成立後の郡域の特徴について、統計資料を中心に分析した。
第2編では、出羽村山郡を主たる対象として、その歴史的背景を考慮しながら、村々の個別資料を利用し、明治前期を中心にその地域性を具体的に明らかにする。
(図表74点収録)
【主要目次】

序 章 本書の構成と各章の課題

第1編 明治前期の地域産業と県財政
     −「山形県」統計資料の分析を中心に−

第1章 明治初期における「山形県」地域産業の構成
     −「明治七年府県物産表」その他統計書の分析を中心に−
第2章 明治初期における各種加工業の発達とその地域的構造
     −旧山形・置賜両県の場合を中心に−
第3章 明治期における酒田港移出入物資の変動
第4章 明治期における陸羽横断諸街道の発達と商品流通
第5章 明治期における山形県の財政構造

第2編 明治前期の村山地方農村の産物と諸営業
第6章 村山地方西部と東部の地域特質
第7章 村山郡北部農村の産物と諸稼ぎ
補論1 豪農日記にみる維新期社会の一断面
補論2 明治期における巨大地主の形成と農村
     −村山郡尾花沢・大石田地域を中心に−
第8章 明治中後期にみる上山地域の産業と製糸業

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