写し巡礼地の社会学
ミニチュア霊場の構造と変容

近藤(こんどう) 隆二郎(りゅうじろう)
(元滋賀県立大学教授/1965年生まれ)


2025年6月刊
A5判・336頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-86602-187-4 C3039
7000円 (税別)
本書では、四国八十八ヶ所や西国三十三ヶ所など、身近な場に代替的な空間としてつくられた霊場を「写し巡礼地」と呼び、それは国内外に多数存在する。本書では、とくに石仏を並べてつくるミニチュア霊場を取りあげ、環境計画を専門とする著者が30年以上調査を続けてきた北播磨・和歌山・江戸・大和郡山、そしてハワイの事例を対象として、詳細なデータに基づき分析。宗教民俗の視点はもとより、造園学・社会学・環境学などの観点から光を当てることで、日本の巡礼史・空間史において魅力的な対象である写し巡礼地(ミニチュア霊場)の現状を考察し、その保全と再創を目指す。
【主要目次】

 T ミニチュア化された写し巡礼地の時空・様相
第1章 ミニチュア巡礼地の空間体験構造
第2章 集落の「共演空間」としてのミニチュア巡礼地
第3章 ミニチュア巡礼地の成立プロセス

 U 写し巡礼地の広がりと地域社会
第4章 和歌山県下における写し巡礼地の展開と空間
第5章 コモンズとしての写し巡礼地

 V 飛躍変容した写し巡礼地
第6章 江戸における写し巡礼地の鑑賞構造
第7章 ハワイ日系人社会における写し巡礼地の成立と変遷
第8章 大和郡山市番条八十八ヶ所のコミュニティ結合効果

 W「写し」の構造
第9章 「写し」の構造化
第10章 写し巡礼地における身体・空間・時間

 X 写された巡礼地の行方
第11章 “写された”シナリオの正統性獲得と更新
第12章 写し巡礼地の保全と再創

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