近世旗本知行と本貫地支配
近世史研究叢書59

澤村(さわむら) 怜薫(れいか)
(行田市郷土博物館学芸員/1986年生まれ)

2024年9月刊
A5判・402頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-172-0 C3321
8600円 (税別)
「本書では、ここまで述べてきた旗本知行研究の課題および分析視角に基づき、近世初期に知行割された旗本知行をおもな分析対象に据え、以下の課題を検討したい。
 第一は、関東領国における旗本知行の編成原理と特質について、大名家領分の村替えとも連動する過程を視野に入れて明らかにすることである。第二は、一旗本家をめぐってその存在が想定される社会構造とその特質を解明することである。第三は、旗本家菩提寺をめぐる動向から、菩提寺、ひいては本貫地に対する旗本家の意識を解明することである。」(序章より)
学位論文「近世関東旗本知行の編成と旗本社会」(駒澤大学、2022年)を再構成。
【主要目次】
序 章 旗本知行研究と本書の研究視角
第一編 関東の所領編成原理と旗本知行
第一章 大名家領分と旗本知行所の再編過程
−武蔵国忍城周辺の所領編成を中心に−
第二章 旗本家本貫地の形成と特質 −相模国を中心に−
第二編 「旗本社会」の構造と秩序
第一章 大番筋旗本知行所における勝手賄いの特質
−都築家を事例として(1)−
第二章 両番筋旗本家における勝手賄いと地域社会
−江原家を事例として(1)−
第三章 旗本相給村落の運営と知行・集落
―相模国高座郡下鶴間村を事例として―
第四章 「雇」用人の登用・罷免と旗本親類家の役割
−都築家を事例として(2)−
第五章 旗本用人社会と知行所村役人の「譜代意識」
第三編 旗本家の菩提寺と家意識
第一章 旗本家の菩提寺の成立と展開
−高木家を事例として−
第二章 旗本家由緒と家職ゆかりの知行地
−天野家を事例として−
第三章 旗本家の菩提寺と葬送儀礼 −酒依家を事例として−
結 章 本書の総括と展望

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