卯月八日 花摘みと死者供養の民俗行事 伊藤 新之輔 著 (國學院大學研究開発推進機構PD研究員/1993年生まれ) 2024年2月刊 A5判・342頁・上製本・カバー装 ISBN978-4-86602-167-6 C3039 7400円 (税別) |
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「旧暦4月8日の習俗を日本民俗学では「卯月八日(うづきようか)」と総称し、研究の蓄積がなされてきた。現行の習俗なのであるから、日本民俗学は卯月八日について説明を求められるが、残念ながら民俗学では、後述するように誤った説明が繰り返されているのが現状である。(中略) 本研究では、各地の実地調査での成果を用いつつ、すでに刊行されている民俗調査報告書類から【1498例】の卯月八日習俗の事例を活用して、先行研究では明らかでなかった卯月八日行事の全容と詳細をとらえ、先行研究で課題とされてきた習俗について個別に検討する。 具体的には、卯月八日の様々な伝承について分布図【18図】を作成し、分布の詳細な把握を試みる。そして、その分布図や具体的な事例から、地域内の伝承の同一性や地域間の差異を指摘する。これらの成果によって列島文化の文化的版図を描くことも試みる。 また、卯月八日の個別習俗である花見や死者供養を見直すことによって、これまでの日本人がどのように親しい人の「死」と向き合ってきたのかについても検討したい。」(「序章」より) 本書は、学位論文『卯月八日行事の研究』(令和5年、國學院大學)を加筆訂正したもの。 |
【主要目次】 |
序 章 |