戦国期上野の城・紛争と地域変容
中世史研究叢書36

飯森(いいもり) 康広(やすひろ)
(群馬県埋蔵文化財調査事業団専門調査役/1962年生まれ)


2022年9月刊
A5判・324頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-146-1 C3321
6800円 (税別)
評者:久保田順一(『群馬文化』347  pp78  2022.12)評者:柳瀬大輔(『日本歴史』904  pp99-101  2023.09)評者:青木裕美(『地方史研究』425  pp123-124  2023.10)
上野国(群馬県)は関東平野の北端に位置する。地域から戦国大名が出現しなかったことから、北方から越後国の上杉謙信、西方から甲斐国の武田信玄、南方から相模国の北条氏康による侵攻を受けることとなり、いわゆる「三つ巴の争覇」が展開された。このため、多くの紛争が生じ、多くの城館が構築されることとなった。
そこで本書では、第1部で、吾妻川・利根川流域を境界として生じた紛争と城の関係を検討し、第2部では、北条・上杉・武田氏と相次ぐ侵攻のなかで、翻弄され活路を見いだした在地領主と城について検討し、第3部では、築城が地域に及ぼす影響をテーマとした。
これにより、総合的な城研究の方法論を目指す。
【主要目次】

第1部 北上野地域の城と紛争

第1章 中世吾妻渓谷をめぐる街道と城砦群

第2章 浦野氏と三島根小屋城

第3章 武田氏の吾妻谷支配と嵩山合戦

第4章 不動山城と八崎城の変転

第5章 天正八年の後閑橋合戦と名胡桃城の変容

第2部 西上野地域の城と紛争

第6章 高田氏の動向と高田城・菅原城

付 論 武田氏の南牧谷侵攻と鷹ノ巣城

第7章 小田原合戦における北国勢の松井田城攻めと進軍

第3部 城と地域変容


第8章 室町・戦国期における箕輪の変遷

第9章 中世館林の城・合戦と地域変容

第10章 近世初頭館林城下の形成 ―佐野街道と旧矢場川―

第11章 中近世玉村町角渕集落の変容と周辺遺跡

索引(事項・地名・人名)

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