古代の地方豪族と王権・両貫制
古代史研究叢書14

加藤(かとう) 謙吉(けんきち)
(博士(文学):早稲田大学/1948年生まれ)


2022年8月刊
A5判・270頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-141-6 C3321
5800円 (税別)
評者:堀川徹(『日本歴史』901  pp86-88  2023.06)
「第一部においては、畿内の王権の地方進出時における、西海道や北陸道地域の在地首長層の動向(従属・協調・抵抗など)を追い、王権と結んだ畿内に近い伊勢の小首長の氏族的な発展過程を跡付け、さらには紀ノ川流域の紀伊国名草郡・那賀郡の一帯を拠点とした大伴氏傍流の一族の、氏族顕彰意識にもとづく系図の改変や、祖先伝承の作成の経緯について考察する。
 第二部は、筆者が2015年に発表した論考「地方豪族の中央出仕形態と両貫制」において提唱した、地方豪族の複合的な居住・出仕の体制(両貫制)が、古代の慣例として機能していた事実を、いくつかの新たな例に照らして、検証しようとしたものである。」(本書「序」より)
【主要目次】

第一部 古代の地方豪族と王権

第一章 「磐井の乱」前後における筑紫君と火君
    −西海道地域の首長層の動向と対外交渉−

第二章 大和の王権と伊勢大鹿首

第三章 『古屋家家譜』と紀伊国
    −『日本霊異記』上巻五縁の説話との関連性を踏まえて−

第四章 道君について
    −その氏族的性格と政治活動−

第二部 古代の地方豪族と両貫制

第一章 角氏の氏族的性格とその王権奉仕
    −両貫制という視点より見た−

第二章 阿倍氏の出身地に関する一つの臆説
    −伊賀から大和へ−

第三章 近江の真人賜姓氏族と両貫制

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