「共助」をめぐる伝統と創造
−日韓コミュニティ比較の視座−

松本 誠一(まつもとせいいち)
   (東洋大学名誉教授/1949年生まれ)
編集委員:立柳聡・對馬秀子・吉川美華

2021年3月刊
A5判・398頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-86602-110-2 C3039
8900円 (税別)  品切れ
評者:須永敬(『日本民俗学』308  pp89  2021.11)
編者の古稀を機に、島嶼コミュニティ学会・白山人類学研究会のメンバーが中心となって作った、日韓の研究者15名による論集。
【主要目次】 
本書の視座
 ―日本と韓国のコミュニティで「公益」はどのように実現されてきたか―
立柳 聡
吉川美華
 
 第1編 「伝統的」なるものの継承と変化
珍島(韓国)農村の歌舞共同体と暮らしのリジリエンス(回復力) 全  京秀
島嶼社会における成人儀礼と性の伝承 八木  透
青ヶ島のモヤイモノ
 ―地域社会における呪術・宗教的世界の一端―
土屋  久
近代日本山村における村落社会の再編と「自然村」
 ―宮崎県諸塚村黒葛原の協議録・共同作業記録に注目して―
本多 俊貴
 
 第2編 人の移動が創る共助のかたち
多文化としての韓国
 ―多文化、多文化家族、そして他文化―
小澤 康則
下関と釜山の免税店とポッタリチャンサ 井出 弘毅
在日コリアン教会におけるコリアンの多様化と教会運営の模索
 ―主日礼拝における日本語の導入・位置づけをめぐって―
荻  翔一
甘蔗(砂糖キビ)が繋いだ八丈島と南の島々
 ―人口対策と血縁・地縁のネットワーク―
對馬 秀子
 
 第3編 契約講と契 ―「伝統的」な社会組織の「今」―
契約講の構造と機能 ―千葉県東総地方の事例から― 立柳  聡
韓国社会の契の歴史と現在 金 美榮
(松本誠一
吉川美華 訳)
 
 第4編 コミュニティの今日的「創造」―公助の死角と共助の視角―
韓国の福祉行政の空白地帯と民間共助
 ―彼らはなぜ社会的弱者を積極的に助けるのか―
吉川 美華
韓国社会のソーシャルテイナーの活動と役割 鄭賢京
孟鳳鶴
(吉川美華 訳)
学校そしてコミュニティで育つ子ども達
 ―通信制高校の現在と地域社会との連携の実践例―
小暮 幸子
           *  
韓国の島嶼とコミュニティ ―研究資産の継承― 松本 誠一
 

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