法道仙人飛鉢伝説と海の道
御影史学研究会民俗学叢書23

嶺岡 美見(みねおかよしみ)
(御影史学研究会/1983年生まれ)


2020年12月刊
A5判・374頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-109-6 C3339
8000円 (税別)
瀬戸内海には、鉢が船に対して食を求めるという不思議な伝説が点在する。この伝説の成立背景を、説話や、地元の伝承、伝承地の地理的環境から考察したのが本書である。
托鉢の鉢が自由自在に飛び回り、海上を行く船に対して米を求め、応じぬ場合はすべての米俵を連れ去るという「飛鉢の法」。この法をおこなったうちの一人が、空鉢仙人とも称された播磨の法道仙人である。人びとは、法道仙人に何を求めたのか。その背景には、各地の伝承地をつなぐ「海の道」が見えてくる。
評者:植野加代子(『御影史学論集』46  pp71-72  2021.09)
【主要目次】

第1章 説話の世界
第1節 空飛ぶ鉢
第2節 「浄蔵貴所鉢ヲ飛バス事」
第3節 琵琶湖に浮かぶ鉢
     −伊崎寺の「竿飛び」と飛鉢の法との関わりについて−

第2章 瀬戸内海航路と伝説
第1節 家島の法道仙人
     −播磨灘を舞台としたもうひとつの飛鉢伝説−
第2節 飛鉢上人とその鉢
     −屋島寺開基伝承を事例として−
第3節 備後の飛鉢伝説「鉢が峰」
第4節 豊前の飛鉢伝説

第3章 日本海側の飛鉢の法
第1節 能登石動山の「イワシガ池」伝承
第2節 能登石動山の宝池院
第3節 越後柏崎の海上交通と飛鉢の法との関わり

第4章 法道仙人を信ずる人びと
第1節 法道仙人の飛鉢の法と響の灘での海難
第2節 大阪湾の法道仙人伝説
第3節 阿波の飛鉢伝説とその信仰
     −玉厨子山と薬王寺「後ろ向き薬師」を手がかりに−

法道仙人開基および関連寺院一覧表

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