神社合祀 再考
由谷 裕哉
(
よしたに ひろや
)
編
(小松短期大学名誉教授/1955年生まれ)
2020年7月刊
A5判・190頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-102-7 C3021
2800円
(税別)
「本書は、日露戦後の神社合祀、研究者によっては神社整理とも呼ばれる地方における神社の統廃合、およびそれに先立つ地方の小祠整理を考察対象とする論文を集めている。各論文は、執筆者各自がこれまで関わってきた地域社会に焦点を置いた事例分析を行っており、かつ価値中立的な立場から考察がなされている。個々の事例分析によって、これまでの神社合祀・整理に対する通念を相対化し、可能であれば代案を提示できれば、という大望をも有する論集である。(中略)
以上のように、五論考の対象とするそれぞれの事例地域によって、その神社合祀・整理のあり方が大きく異なっている。明治前半に神社の統廃合があった阿蘇のように時代の違いもみられるし、近世村の範囲でかなり多くの神社が残った場合(大洗)に対して、大字を超える合祀が強行された場合(高崎市・上越市)、奄美のように一般的な意味での神社合祀・整理がほぼなされなかった場合など。(中略)その意味で 以下に続く五本の論文は、事例の選び方においても先行研究の代案を志向する意味合いを含んでいる。」(「緒論」より)
【主要目次】
緒論:神社合祀研究と地域社会
明治初期におけるムラ氏神の成立過程
−熊本県阿蘇郡の神社整理−
神社整理と奄美のシマ・村社
−明治期の島嶼町村制と村の神社−
神社合祀の記念碑
−群馬県高崎市大住神社の事例−
神社合祀記念事業の地域的形成についての一視角
−上越市大和神社の事例をてがかりに−
茨城県大洗町磯浜における神社の統廃合
−神社合祀のロマン主義的解釈に対する代案として−
由谷 裕哉
柏木 亨介
及川 高
時枝 務
畔上 直樹
由谷 裕哉