戦国期の伝馬制度と負担体系
戦国史研究叢書18

野澤 隆一(のざわ りゅういち)
(豊島岡女子学園中学校高等学校教諭/1959年生まれ)


2019年6月刊
A5判・318頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-072-3 C3321
6800円 (税別)
評者:山下智也(『史学雑誌』128-10  pp97-98  2019.10)
本書は、伝馬制度と負担体系という二つの切り口から、戦国期の社会変動を実証的に明らかにしようとするものである。具体的には、中世前期の伝馬制度の比較検討と、抜地売券・寄進状から新たな加地子の存在形態を明らかにすることで、多くの町や村が生まれた大名領国が分立した戦国社会の要因を追究した。(「序にかえて」より)
【主要目次】

序にかえて

第一章 戦国期の伝馬制度
第一節 鎌倉時代の伝馬制度
    (鎌倉幕府の伝馬制度/荘園制的伝馬役/律令制的伝馬制度/
     在地伝馬役)
第二節 中世後期の伝馬役 −戦国大名伝馬制度の歴史的前提−
    (「師守記」にみる律令制的伝馬制度/荘園制的伝馬役/
     守護と伝馬役/興福寺の伝馬役)
第三節 後北条氏の伝馬制度
    (伝馬掟の検討/駄賃/疋数/伝馬役負担体系の創立)
付 論 後北条氏と伝馬役
第四節 今川氏の伝馬制度
    (伝馬掟の再検討/山科言継往還にみる伝馬役/
     伝馬役創出の背景)
第五節 武田氏の伝馬制度 −天正三・四年伝馬定による宿立−
    (根原・厚原<中道往還>/竹下・棠沢<甲駿往還>/
     沼津・蒲原<東海道>)

第二章 戦国期の負担体系
第一節 加地子試論 −増分論争止揚への試み−
    (鎌倉期の抜地/室町・戦国期の抜地/増分問題)
第二節 戦国期の買地安堵 −江北地域の売券・寄進状の分析−
    (土地売券・寄進状の分析/抜地と内徳/買地安堵)
第三節 戦国期越前国の負担体系と朝倉氏 -敦賀郡善妙寺領の分析-
    (抜地売券、寄進状の分析/善妙寺寺領目録の分析/寺領安堵)
第四節 後北条氏と段銭
    (後北条氏以前/田名郷の段銭/段銭による権力編成)

結 語 

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