押送船
江戸時代の小型快速船

胡桃沢(くるみさわ) 勘司(かんじ)
(近畿大学名誉教授/1951年生まれ)


2018年12月刊
A5判・126頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-063-1 C3021
1900円 (税別)
評者:下向井紀彦(『交通史研究』95  pp93  2019.09)評者:栗原健一(『地方史研究』403  pp113-114  2020.02)評者:山澤学(『史境』81  pp101-104  2021.11)
「押送船(おしおくりぶね)」は、「近世、江戸湾を中心に関東地方の漁村で魚を積み、江戸の魚市場に運ぶのを主な業務とした快速船で、房総・相模・伊豆の沿岸に多く見られた」、とされてきた。あの、北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」に描かれている船である。
本書は、この押送船について、伊豆・渥美・紀伊の3つの半島で調査した結果、その源流は紀州にあることを明らかにした。
【主要目次】

第一章 伊豆半島

第一節 東浦
  一 東浦の押送船
  二 馬士の活動
  三 近代への継続

第二節 西浦=駿河湾岸
  一 伊勢湾・三河湾の様相
  二 伊豆・駿河の研究状況
  三 駿河湾の様相(魚輸送/本務以外の活動)

第二章 渥美半島

  一 出張販売=田原町白谷
  二 海上における取引(売り手の話=渥美町江比間/
     買い手の話=渥美町向山)
  三 浜における取引(売り手の話=渥美町小中山/
     買い手の話=渥美町福江)
  四 押送船(オショクリ)(歴史的背景/先行研究再読/活動の様相)
  五 魚行商人(呼称と歴史的背景/活動の様相)

第三章 紀伊半島

  一 先行研究から見る紀州(近世史概観/押送船の活動形態)
  二 藩法の規定(紀藩御法度書/紀伊御法度集)
  三 浦継の実態(通達と「覚」/浦のすがた)
  四 鮮魚輸送

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