帝国日本のアジア認識
統治下台湾における調査と人材育成

横井 香織(よこいかおり)
(中国・寧波大学外国語学院外籍教師)


2018年10月刊
A5判・214頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-055-6 C3021
2800円 (税別)
「本研究は、近代日本最初の植民地である台湾におけるアジア調査と、南進のための人材育成事業の、実態や特質を解明することを通して、植民地支配の様相を、調査と教育といいう視点から描き直すという試みである。」(「はじめに」より)
「その結果、以下のことが明らかになった。それは、@日本統治期の台湾では,台湾総督官房調査課を中心に、台湾島内の諸機関・団体と連携した組織的なアジア調査が行われていたこと、A台湾島内の諸機関・団体とは、台湾銀行、南洋協会台湾支部、台北高等商業学校、華南銀行で、それぞれ独自の調査研究活動を展開し、台湾総督官房調査課と人的物的交流を行っていたこと、B台北高等商業学校をはじめ「外地」の高等商業学校では、植民地経営に欠かせない実務的なエキスパートを輩出したこと、C南洋協会では、現地(南洋)の商業従事者を育成し、南洋に送り出したことの4点である。」(「おわりに」より)
【主要目次】

第1章 台湾総督府の南方関与とアジア調査
第1節 台湾総督府の南方関与
第2節 台湾総督官房調査課のアジア調査

第2章 台湾島内の機関・団体のアジア調査
第1節 台湾銀行調査課
第2節 南洋協会台湾支部
第3節 台北高等商業学校
第4節 台湾総督官房調査課と諸機関・団体との相関関係
[資料] 台湾銀行総務部調査課編「調査書類目録」

第3章 南進のための人材育成事業
第1節 高等商業学校における人材育成
第2節 南洋協会による人材育成
第3節 教育の南方進出

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