「俗信」と生活の知恵
揺籃期の民俗誌から

佐々木 美智子(ささきみちこ)
(女性民俗学研究会代表)


2018年6月刊
A5判・414頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-041-9 C3039
9200円 (税別)
評者:戸邉優美(『女性と経験』44  pp156  2019.19)評者:古家信平(『日本民俗学』305  pp21-27  2021.02)
「俗信は、ごく普通の人々の日常生活にあって無視したり笑いとばしたりするほど軽いものではなく、安全かつ安心な生活を送る上で、必要不可欠な共通認識であったと考えられる。「俗信」を「生活の知恵」と言い換えることもできる。(中略)
 本書は、前近代社会における俗信生活のありようの探知をテーマとする。具体的には明治初期から昭和初期、第二次大戦前後までの時代を想定している。したがって、素材となる資料は「民俗学揺籃期の民俗誌」ということになる。…その多くは『日本民俗誌大系』に収録されている。(中略)
 本書のテーマは、生活に溶け込んだ俗信、すなわち「生活の知恵」を発掘し意義づけるもので、俗信に関する基礎研究である。「生活の知恵」から切り離されてしまった、いわゆる記号俗信を、生活のなかに生きる「俗信」として取り戻し、新たな意味を持たせるという試みではない。あくまでも、伝統社会に生きてきた「俗信」の実体を認識するための試みである。(本書「はじめに」より)
【主要目次】

第1章 ヒトに関する俗信
     産育儀礼/婚姻儀礼/葬送儀礼/衣食住・厄年・夢

第2章 生業に伴う俗信
     稲作儀礼/漁労儀礼/山仕事・気象予知

第3章 年中行事における俗信
     ある山村の一年/正月の行事/小正月の行事/折々の行事

第4章 信仰領域に見る俗信

第5章 疾病に対する俗信

第6章 怪異伝承と俗信
     妖怪系/幽霊系/動植物系

第7章 俗信とその周縁

附 章 村落生活の諸相

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