近世修験の宗教民俗学的研究 由谷 裕哉 著 (小松短期大学教授/1955年生まれ) 2018年3月刊 A5判・326頁・上製本・函入 ISBN978-4-86602-033-4 C3039 7000円 (税別) |
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本書では、序論と第一部第一章で、認識論(近世修験をどう捉えるか)および方法論(その対象をどう研究するか)について議論し、続く第二章以降と第二部で事例研究を展開する。 「本書で取り上げた主要事例の神-仏関係について、近世における寺院-神社の位置関係に注目して眺めてきた。(中略) しかしながら、神祇と仏教が習合して何らかの新しい宗教形態が生まれたのは中世までのことであり、近世の段階では、権現という共通の崇拝対象に複数の異なる出自の宗教者がそれぞれの仕方で奉斎した、と考える方が各事例に適合するのではないだろうか。例えば、修験は採燈護摩、不動慈救呪の読誦、法螺、等々に従事した、というふうに。(中略) そして、各々の事例における儀礼に関与した近世修験は、別当である天台真言僧、その配下の衆徒、また場合によっては社家あるいは在俗の者とも連携しながら、自らの出自に即した手法によって霊山と同一視される権現を奉斎したのではないか、という仮説を結論としたい。」(本書「結論」より) |
【主要目次】 |
序 論 近世修験という対象について 第一部 柱松と近世修験 第二部 近世修験の諸相−里修験・修正延年・里山− 結 論 |