本書は、成城大学民俗学研究所の共同研究「霊山と民俗信仰」の成果報告書である。
東日本と西日本の地域差を視野に入れつつ、いくつかの霊山をピックアップし、人々が霊山に何を求めてきたのか、その歴史的変遷と現状を把握すること、および各霊山における民俗信仰の特徴を明らかにすること、この二つを目的として編まれた。
第一部では、地蔵で知られる代表的な霊山(西日本:伯耆大山・山城愛宕山/東日本:伊豆日金山・下野岩船山)を、第二部では、都市近郊の霊山(大阪:生駒山系/東京:高尾山)を対象とした。
また霊山参詣者は、里に散在する関連宗教施設を訪れるので、これらの宗教施設に力点をおいて分析したことも、本書の特色のひとつである。 |
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【主要目次】 |
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第一部 霊山と地蔵信仰・死者供養 |
伯耆大山の地蔵信仰と死者供養
−備中地方を中心として− |
松崎 憲三 |
岩船地蔵信仰と死者供養
−岩船山参詣と各地の岩船地蔵祭りを中心に− |
前田俊一郎 |
愛宕信仰の歴史的展開
−勝軍地蔵との関わりを視座として− |
佐山 淳史 |
霊山と墓地−日金山霊園と冨士霊園を例にして− |
新井 裕美 |
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第二部 都市近郊の霊山 |
参詣道からみる信貴山信仰
−八尾道と奈良街道− |
山田 直巳 |
近現代信貴山信仰の展開
−宿坊・別院・奉納品の分析を通して− |
木 大祐 |
信仰体験談にみる生駒聖天信仰
−『歓喜』収録記事を素材として− |
及川 祥平 |
河内国瓢?山稲荷神社の歴史と辻占習俗
−宗教的一展開を考えるための布石として− |
松崎かおり |
行楽地としての霊山 −高尾山と箕面山− |
金野 啓史 |
尾山の信仰組織−尾山分霊院を中心として− |
乾 賢太郎 |
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