徳川時代の異端的宗教
戸隠山別当乗因の挑戦と挫折

曽根原 (さとし)
(東北大学助教/1961年生まれ)


2017年12月刊
A5判・182頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-018-1 C3021
2600円 (税別)
乗因(1682-1739)は、江戸中期における天台僧で特異な思想家である。信濃国戸隠山勧修院の別当に着任すると、山王一実神道に戸隠修験や「旧事大成経」に由来の霊宗神道を加えた「神道一実霊(れい)宗(そう)神道」を提唱したが、衆徒の反発を受け、本寺である寛永寺と対立元文4年、八丈島に流された。本書は、この乗因を突き動かした怒りや閉塞感を、<異端>と呼ばれる彼の思想から、明らかにする。
【主要目次】

序 章  注目される乗因/本書の内容/今後の展望

第一章 山王一実神道の展開―乗因を対象として―
     乗因における〈道教〉―小林説の検討―/
     「修験一実霊宗神道」の相承/鎮護国家の実現

第二章 乗因の神道説の異端的性格
      ―戸隠修験・『大成経』との関係から―
     戸隠修験の峯中灌頂/『大成経』と乗因

第三章 即伝と乗因―彦山修験から戸隠修験へ伝えられたもの―
     戸隠に伝えられた即伝教学の基調/即伝の「修験一実」の主張/
     山王神道の「一実」と即伝の「一実」/乗因の「修験一実」の主張

第四章 戸隠山別当乗因の弟子たち
     『大岡忠相日記』に登場する乗因/
     『金剛●【巾+ウ冠+登】』にみえる弟子たちの痕跡/
     古文書にみる宗徒たちの動向

第五章 乗因と霊空
    『東叡山縁起』の「朱引」/乗因と摩多羅神/『摩多羅神私考』/
     行疫神の変貌/近世妙法院と摩多羅神

 補論 日光三所権現と東照三所権現
     中世の日光権現/東照三所権現の成立と日光権現

第六章 霊宗神道の広がり
     吉田神道における「霊宗」/『大成経』における霊宗神道説/
     神道説の二系統/乗因説の位置づけ/
     乗因以降の動向―?無為への注目―

ご注文へTOPEへ