江戸・日光の建築職人集団
近世史研究叢書47

川村 由紀子 著
(國學院大學大学院特別研究員/1947年生まれ)


2017年11月刊
A5判・442頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-008-2 C3321
9900円 (税別) 品切れ
評者:吉田伸之(『都市史研究』5  pp111  2018.12)評者:篠宮雄二(『日本歴史』848  pp135-137  2019.01)評者:岩淵令治(『国史学』231  pp66-71  2020.09)
「本研究は、17世紀末から18世紀中頃に至る約80年間を中心に、江戸の大工をはじめとする建築関係職人の職人集団の構造と展開を考察し、近世社会における職人集団の歴史的特質を明らかにしようとするものである。
 研究の対象は、江戸幕府作事方に属する諸役人と御用職人、および、その下に編制された役を負担した町方の諸職人等である。検討年代は、開府当初に連続した城郭・幕府諸設備等の建築が一段落し、寺社の移転がようやく落ち着きをみせる元禄期から、幕府財政の引き締めが行われ新築工事が減少した享保期、さらに建築技術の普遍化と躍進した経済力を背景に町方勢力が興隆した宝暦・明和期を主とする。対象地域は江戸および日光とし、これらの職人集団の構造を分析する。
 以上を通じて、近世中期の大工等諸職人が幕府の支配を離れ、自立し始める様相を明らかにする。」(本書「序章」より)
【主要目次】

序 章 江戸の職人集団

第一部 元禄期における江戸の職人層と都市構造
第一章 大工頭鈴木修理の日記と元禄期の諸職人人別帳
第二章 元禄期における寛永寺門前の諸職人
第三章 元禄期における江戸寺社地の諸職人
第四章 元禄期における江戸代官支配地の諸職人

第二部 享保〜宝暦期における幕府寺社工事と作事組織
第五章 近世中期における江戸の「町棟梁」
第六章 享保期における江戸幕府作事方と大工職人

第三部 宝暦・明和期における日光棟梁と江戸方
第七章 宝暦・明和期における日光東照宮の修理と日光棟梁
第八章 近世中期における日光棟梁の訴願と自治
終 章 職人集団の変容−近代化への萌芽−

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